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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

インフレなんか怖くない?

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 米国では景気回復が期待され、好調な業績見通しや決算を発表するものを素直に好感して堅調となりました。そうした動きや円安となったことが好感される展開から買い先行となりました。ただ、円安を好感すると言う動きの割にはハイテク銘柄など輸出株に軟調なものが見られ、逆に昨日軟調となっていた銀行株などの金融株が買われて指数を押し上げる要因となりました。円安を好感したというよりは目先の需給要因、出遅れ銘柄を探す動きも見られるということなのだと思います。

 先週の米雇用統計は結局良かったのか悪かったのかと言う疑問が出ているようです。昨日インターネットテレビの中でも述べたのですが、実際に失業率も下落し、非農業部門従事者数も10万人増えているのですから、「雇用に改善が見られる」と言う判断で良いと思います。中には予想されていた15万人が実際には10万人とされたことで「悪い」と言う向きもいるようですが、ここの5万人は雇用が「改善しているのかいないのか」と言うことでは「改善している」と言うことには変わりなく、本来であれば、それほど悪いと言うことでもないと思います。

 実際に為替も株価も反応は限られており、結局、期待されたほどでもないが失望するほどでもない、と言うことなのだと思います。欧州の金融不安も昨年のギリシャのパターンに見られるように、「大山鳴動して・・・」と言う感じで、騒いでいるほど深刻なのかどうかがはなはだ疑問です。欧州金融不安が強まり、世界的なお金の流れが滞るようなことになれば、つまり、誰も「危ないから」と言って資金を出すことがなければ、それこそ大変なことになるのでしょうが、新興国も含めた資金の流れは潤沢であり、今のところ「サブプライムショック」のようなことにはならないと思います。

 中国など新興国のインフレ懸念も、かつて日本の高度成長時代を考えて見るとわかるように、インフレ=経済拡大、と言う面もあり、新興国の生活水準が向上することと並列して見る必要もあるのではないかと思います。このように一方的な報道も自分で本当にそうなのかどうか考えて見ることは必要ではないかと思います。新聞に書いてあることも恣意的な場合も多分にあるということは頭にいいれておいても良いと思います。

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