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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

木を見ず森を見よう!!

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 米国市場が軟調となったことやユーロ安を受けて売り先行となり、底堅さも、見られたのですが持高調整の売りや中国の金融引き締め懸念からの売りが嵩んで大幅下落となりました。欧州金融不安も根強く、買い気に乏しい中で、買い戻し一巡感から手仕舞い売りや月末の持高調整の売りも嵩んだものと思われます。米ドルに対しては円安となったものの、ユーロ安に連れて円高気味となったこと、指数には目先的な過熱感もあったことから、売り急ぐ場面もあったものと思います。

 米国のクリスマス商戦が好調と言われましたが、まだまだ日本では景気回復に対して疑心暗鬼となっているようです。株式市場でもようやく底入れ感も出たと思われましたが、だいぶ強気な向きが多くなってきたところで、一気に手仕舞いの動きが出たものと思います。中国の金融引き締めから中国株が売られたことが本日の下落要因とされていますが、中国の金融引き締め懸念も要因の一つかもしれませんが、買い戻し一巡感が出ているところで、月末のお化粧買いならぬ、持高調整の売りが出たことが大きな下落の要因だと思います。

 中国経済の影響はもちろん大きいのですが、「中国株式市場」の影響はそれほど大きくはないのだと思います。最近では中国市場だけではなく、本来日本の株式市場にあまり影響の大きくないこと、日本企業に影響が大きくないことまで過剰に反応する場面も見られます。為替動向や米国株式動向よりも中国の経済指標などに敏感に反応しているような気がします。上海市場が単純に利益確定売りや持高調整の売りに押されているだけでも、「金融引き締め懸念」「欧州金融不安」などと結びつけて大騒ぎしてしまうことも多いのではないかと思います。

 目先の事象に振り回されて右往左往してしまうことが多いということなのでしょうが、もう少し、大きな流れを見て売り買いとしてもいいのではないかと思います。四六時中株式市場や世界中のニュースに聞き耳を立てているというのも無理があり、大きな流れに乗ってゆったりとした投資があっても良いのではないかと思います。また、氾濫する情報をどのように整理していくのかをしっかりと考えて、取捨選択していくことも必要なのでしょう。

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