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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

高くても買えるときが来るのか・・・?

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 米国市場は底堅いながらも上値の重い冴えない展開となりましたが、日本市場は円安に振れたことなどを好感して買い先行となりました。ただ、円安といってもまだ円高懸念が残っていることもあり、寄付きの買いが一巡となった後は円高気味となったこともあり、上値も重く、上値の重さを嫌気して手仕舞い売りを急ぐ動きもあって軟調となりました。節目と見られる9,900円では買い難く、9,800円を割り込むところでは売り難いということなのだと思われます。

 為替への反応も限定的となり、どうしても買い切れないようです。目先的な過熱感はあるものの、海外市場に比べて出遅れ感も強く、為替さえ落ち着けば企業業績の上振れも期待されるのですが、円高懸念が根強いと言うことなのでしょう。堅調な企業業績も円高などによる目減りをコスト削減でカバーしているようなものも多く、景気拡大の中での業績改善と言うのは少ないようです。新興国の経済拡大の恩恵でしっかりと稼いでいる企業が物色されるものと思います。

 単にコスト削減だけでは限界があるし、コストを削減することで、今度日本の景気が回復したところでの業績の反発も小さなものとなってしまうのではないかと思います。取捨選択は必要ですが、単に切り捨てるだけということは企業の体力や筋力を衰えさせるに過ぎず、目先の利益を確保しても先行きに対する懸念が残ることになってしまうのでしょう。「安売り」をしないと売れない、とばかりに「安売り」をするためにコスト削減をすると言うのも無駄を省くのはいいのですが、縮小してしまうだけではだめだということではないかと思います。

 「安売り」をするためにも人件費を削るとなると、人件費が削られるものだから安いものしか買えず、安くしないと売れなくなり、安売りをするために人件費を削るというような「悪循環」となっている面もあるのではないかと思います。そうした流れをどこかで断ち切らなければ、デフレは止まらず、デフレが止まらないと企業業績の伸びも株価の上昇も期待できないということになってしまうのでしょう。中国でもバブルを押さえようとしてその影響も懸念されますが、ある程度の「バブル」というか、経済の膨張がないと、今の日本市場のように内向きに悲観的な相場が続くことになりそうです。

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