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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

増資は本当に悪いことですか??

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 週末の米国株は軟調、商品相場も大きく下落するものが多かったのですが、日本市場は先週末の大幅下落がある程度織り込まれていたことや、ユーロの落ち着きなどもあって、為替が総じて円安に振れたことが好感されて買い先行となりました。7-9月期GDP(国内総生産)も予想を上回ったことから、慎重な決算発表をしている企業も為替さえ落ち着けば上振れ期待もあるとして買い直され、堅調となりました。

 大きく円高となるような状況でも日本企業の海外企業の買収の話題もあまり多くありません。「投資」そのものを手控えていることもあるのでしょうが、いざ、「買収」と言うような話題になると最近の相場ではすぐに「増資懸念」と言うことで売られてしまうことが多いようです。本日も日本のブレーキメーカーが独自動車部品大手のブレーキ事業を買収すると発表したことで売られる場面が見られるなど、何か企業が投資をしようとする時に増資を嫌気する動きが強いような感じです。

 もちろん、これだけ金利が低くなっているところであれば、「借り入れ」と言う手もあるのでしょうが、企業が上場している一つの大きな目的である「資金調達」を否定するような動きはあまりよくないのではないかと思います。増資というと株主価値の希薄化ばかりが言われますが、本来株式会社は資金調達をして投資をし、そのリターンを得るというのが「仕事」であるはずです。それを、「株主のため」と称してコスト削減をして株主価値を高めてもあくまでも目先の利益に追われるだけで、本来の株式投資とは違うのではないかと思います。

 いつもこのコラムで目先的な売買ばかりで相場が崩れていると言うことを言っていますが、上場企業も目先の利益ばかりを追求して将来の投資を評価するような動きになっていないのではないかと思います。株主価値を高めるということが、目先の利益を上げることではなく、将来に渡って継続的に収益が上がり続けるように、走り続けることなのではないかと思います。デフレが続いているので、右肩上がりの成長は見込み難いのでしょうが、右肩上がりの成長のためであれば、場合によっては「増資」も善しとするような雰囲気にならないといけないのだと思います。

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