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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

株価の絶対価値は・・・?

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 米国市場は軟調となりましたが、為替が円安方向に振れたことから買い先行となり、銀行の自己資本規制もアジアの銀行は除外されるのではないかと報じられたことから金融株が買われ、大幅高となりました。決算発表が出揃って来るなかで、足元の業績は好調なものが多く、為替さえ円高が進むことがなければ、さらに業績の好転が期待されることから、買い急ぐような場面も見られました。

 本日の相場でもまだ決算動向に素直に反応するものとしないものとに分かれてしまったような感じです。これまでの業績は予想通り良い、あるいは予想以上に回復していると言うことなのですが、先行きに対する見通しが楽観的な見通しと悲観的な見通しに分かれているようです。以前にもこのコラムで述べたこともあるかもしれませんが、慎重な見通しをしてその後上昇修正をするパターンと楽観的な見通しで想定された水準まで業績が伸びなかったケースでは前者は好感され、評価されますが、後者の場合、とんでもないことだと言うような見方も多いと思います。

 また、市場予想に比べて良いとか悪いとかで評価されるケースも多いのですが、市場予想といっても、アナリストの予想であり、その予想がどの程度株価に織り込まれて信頼されていたのかで、動きは違って良いはずです。市場予想よりも良いとか悪いとかいうことで比べる場合には、会社側の予想を含めて、一番楽観的(異常値は当然除きますが)な見方よりもよかったのか、一番悲観的な予想よりも悪かったのか、あるいは平均ではなく、一番多かった予想の範囲内なのか、などと比べる方がいいのではないかと思います。

 加えて、株価にどこまで織り込まれていたのか、を見るために楽観的に見られていた業種、業態なのか、悲観的に見られがちなものかなどを見て判断しなければならないと思います。あまりに「市場予想」だとか「従来の想定」などと言うことが重要視されすぎて一人歩きしているような気がしてならないのです。目先的に業績が良い悪い、良くなる悪くなると言うよりも「良い方向へ向かっている」のか「悪い方向になってしまっている」のか業績のトレンド(?)のような方向性を見て行く方がいいのだと思います。

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