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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

やっぱ、先を読まなきゃダメでしょ!

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 米国FOMC(公開市場委員会)で追加の金融緩和が発表され、予想の範囲内ということで、ドルの買戻しが急がれ、円安に振れました。ただ、材料出尽くし感という割にはドルの上値も重く、日本市場では円高に振れてしまったことから、上げ幅も限定的となりました。米国株式市場が堅調ながらも上値の重い展開となっており、反応し切れなかった面はあるかと思います。為替の動きの割には株式市場は堅調な展開となりましたがあくまでも買戻しが主体ということで、買い切れず、先行きに対する懸念が根強いことから、好決算発表銘柄にも乗り切れないということなのでしょう。

 好決算に反応するものも見られましたが、決算発表などへの反応も長続きしないような感じです。まだ、米国市場でも週末の雇用統計の発表を控えていることや日本でも日銀の金融政策決定会合もあり、米金融緩和を受けて、日本でもどこまで追加の緩和が行われるのかどうかを見極めたいということなのでしょう。米国中間選挙の影響も懸念され、ここからの米国株式市場や為替市場の方向感が掴みきれず、さいごまで買い上がるという動きにはならないものと思います。

 インターネットという便利なものが一般的になり、株価を動かす情報も簡単に、リアルタイムで誰でもが手に入るようになたことで、相場の変動要因も多くなったような気がしますが、逆に情報の偏りがない分、いったん相場が大きく動いた後は動きがないことが多くなったのではないかと思います。特に決算動向などへの反応も、実際にその決算数字から見て、どの水準まで株を買っても良いのか、売らなければならないかを見るということ、実際の決算の内容が問題ではなく、決算を数字を見て、皆がどのように動くか、株価の動きに左右されることが多いような気がします。

 また、逆に「アナリスト」達の中には、「これまでの決算がこうで、現在はこう、そして将来はこうなるだろう」と大きな流れで決算数字を見るというよりは、ただ、単に数字だけを見て良いだの悪いだの言っている向きも多いのではないかと思います。株価も決算も大きな流れの中でそのような動きになっているのか、何処へ向かっているのかなどをしっかりと把握し、目先の短期的な変動に左右されないような投資の仕方もこれだけ情報が氾濫している時代だからこそ、必要になって来るのではないかと思います。

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