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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

上がる時も下がる時も材料なんか関係ない!?

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 米国株が大幅高、円高一服ということに加え、外国人も買い越しと伝えられたことなどから買い先行となりました。買い気配から始まるものが多く見られるなど大幅高の始まりとなりましたが、円高に振れるに連れて上げ幅を縮小、持高調整の売りも見られ、冴えない展開となりました。半導体の世界売上高が上方修正されるなど好材料も多かったのですが、反応は鈍く、反応の鈍さを嫌気して買いが手控えられ、買い気の乏しさを見て見切り売りが出るというような悪循環となったものと思います。最後は債券先物売り、株式先物買いと言う動きもあったようで、大幅高となりましたがいずれにしても目先の需給に振らされる状況には変わりないようです。

 反応は鈍かったのですが、米国株が大幅高となったように米国も中国も決して景気が悪いと言うことでもなさそうです。商品相場も堅調となるなど売り急がなければならない理由が特に見当たらないなかで売られるものも多く見られました。商品相場が堅調となっても商社株などが安く、。円高に振れても電力株や紙・パルプ株が安いというような展開でここのところの相場の傾向として外部要因などには反応が鈍くなっているようです。

 最近の相場を見ていると何を見て株式を売り買いしているのか非常に不思議に思うことがあります。本日の相場でも同じ業種の中でも高安まちまちとなるものが多く、昨日の大幅高の中でも同じような場面が見られました。いわゆる「ロング-ショート」と言われる同じような値動きをする異なる銘柄の売り買いを同時に行う取引の一環のようにも思われますし、単純にファンドなどが銘柄を入れ替えているだけとも考えられます。

 ただ、いずれにしても「円高だから・・・」とか「中国経済が云々・・・」、などといいながら、欧州の金融不安や米国景気動向を気にしながら、その実見ているものは目先の株価の動きだけ、と言うような気もします。業績云々などといいつつも上がれば「業績が良いから」などと都合の良いレポートを持ち出したりしているだけのようで、材料やテーマに沿って買われても長続きはせず、ちぐはぐな相場となっています。目先的な動きに振り回されずに大きな流れを見て行くということが大切なのだと思います。

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