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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

上方修正発表で売り気配?!

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 米国株が底堅かった割りに大きな下げとなる場面もありましたが、週末の手仕舞いの買戻しもあり底堅い展開となりました。最後は手仕舞い売りやヘッジ売りもあって軟調となりましたが、円高に振れた割には底堅くなりました。決算発表も出揃って来ましたが、先行きに対する不安はあるものの足元の業績に比べて売られ過ぎとなっている銘柄も多く、週末の持高調整で買戻しを急ぐ展開となったものと思います。外国人も大幅買い越しと伝えられ、買戻しが進んでいるということなのでしょう。

 今朝テレビに出演して来ましたが、その中で決算を上方修正したにもかかわらず売られる銘柄が見られるという話をして来ました。4-6月期の業績が好調で7-9は好調だが伸びが鈍化、下期になると落ち込んでしまうという見方をしているような企業は上昇修正を発表しても売られてしまうということだと思います。赤字になってしまうわけでも、通期で見て落ち込むわけでもないにもかかわらず、「尻すぼみ」の業績ということで売られてしまうようです。

 つまり、例えば四半期ごとに25ずつ収益が増加していたものが、4-6月期で75増加、7-9月期で60増加、10-12月期、1-3月期で合わせて30増加すると通期では100の増加であったものが165の増加となり、「通期でも上方修正」となるのですが、従来の下期の予想である50の増加に比べて30しか増加しておらず、下期だけに関して言えば「下方修正」となってしまうのです。こうしたことが嫌気されて売られる銘柄が散見されますが、明らかに「慎重な見方」で「下方修正」や「据え置き」としているのであり、相場の良い時であれば「上振れ期待」とされるものだと思います。

 「業績予想」に対する考え方が、われわれの日経平均の先行き予想と同じで、ダメだと思っていたのが良くなると言うのと良いと言っていたのがダメになる場合では前者は特に責められることはないのですが、後者の場合は問題とされるケースが多いのです。ですから、相場でも常に弱気を言っておきたまに当たると「よく当たる」と言う印象になり、強気を言っている人が外れると「当たらない」といわれてしまうのです。企業業績もそういった意味でかなり慎重に見ている企業が多く、その慎重な見方に反応してしまうと「売られすぎ」となることが多いのではないかと思います。

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