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IT業界でベンチャービジネスの支援をしている執筆者が日々の活動ログと感じたことを、徒然なるままに書き綴っていきます。

大変だけど面白い時代になるのかな ~ベンチャー起業のススメ~

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皆様、おはようございます。吉政創成の吉政でございます。

私が社会人になり20年くらいたちました。この20年で自分の生き方も大きく変わりました。

その中で、市場も大きくいろいろなことが変わってきて、これからさらに変わろうとして来ているように感じています。そして、世の中がプラスになろうがマイナスになろうが、社会が変わる時こそがベンチャー企業にとって大きなチャンスであることには変わりないと思います。現状の社会と合わない仕組みは、好むか好まざるか関係なく変わっていくのだと思います。そういう時、ベンチャー企業はベンチャー企業自慢の足の速さで、新しい仕組みを作りやすいと思います。ベンチャー企業はトップ個人の裁量で大きなチャレンジができ、その勇気と力で新しい仕組みを作りやすいと思います。以前の上司が行っていた言葉を思い出しました。

「ベンチャー企業と中小企業の違いは何か?それはチャレンジ精神です。」

「ベンチャー企業」が良くて、「中小企業」が悪いという意味ではありません。「ベンチャー企業」はその名前の通り(Venture=冒険的事業)、チャレンジする企業です。「中小企業」は中小規模で経営を営む企業です。企業としてどちらの選択も崇高なものであり、ビジネスを営むことは素晴らしいことだと思います。ただ、社会としてその両方の役割が大事なのだと思います。そしてどちらかといえば、今の日本は業界の新陳代謝と進化の為に「ベンチャー企業」の育成が必要だと思っています。mixiやGREE、DeNAなどのSNS系が目立っていますが、以前よりもベンチャー企業が成功してきている例は増えてきています。昔と比べて、大きな投資を得にくくなった感は否めませんが、大きな投資がなくても成功できるベンチャービジネスはいくらでもあります。是非、もっと多くの方の確度が高いチャレンジを期待しています。

脱線しますが、「確度が高い」というのはものすごく重要です。その為には最低3人の役員クラスのメンバーが集まり、自己投資をしたくなるようなビジネスモデルが最低限必要だと思います。以前の上司に言われた言葉を思い出しました。

「吉政さんはリスクを負わないからいけないんだよ。」
「吉政さんは家族を優先し過ぎだよ。」
(家族をおろそかにしたほうがよいということではありません)

※割とチャレンジャーに思われることもある私ですが、長く付き合った方からは「吉政さんほど保守的な人はいない」といわれることが多いです。これが私がベンチャー企業の社長に向いていない決定的な理由です。

今ならこの言葉の意味がよくわかります。自分自身の大きなリスクを背負わなければ、経営に甘さが残り、周囲が認める大成功!というようなベンチャー企業は作れないのだと思います。ビジネスはどの分野も甘くはないと思います。私は性格的に向いていないため、私は私の会社「吉政創成」をベンチャー企業とは位置づけていません。以前からこのブログでも申し上げていますが、目指すは安定した小企業です。多くのベンチャー企業での経験をしてきたため、いろいろなベンチャー企業を支援するノウハウがあります。そのノウハウを活かしたベンチャー企業を支援する小企業を経営しています。

さて、話を戻しますが、仕事柄いろいろな方の起業の話を聞きます。その都度お聞きしているのは、個人の「主観で結構です。どのような会社にしたいですか?」ということです。起業時においてはトップのビジョンと能力が全てといっても過言でないので、ここは重要なことです。その時に冒険的な明確なビジョンがあればベンチャー企業を目指してもよいと思いますが、冒険的でなければ中小企業がよいと思います。ちなみに、どのようなケースにおいても「5年後、10年後の会社のビジョン」を描けない場合は、その時点では起業する時期では絶対的にありません。中長期のビジョンはその会社の経営バイブルというか決断基準です。これがしっかりしないと、経営リソースの無駄撃ちが多くなり、利益が出ず、継続が難しいはずです。このビジョンが「確度が高いチャレンジ」かどうかを検討する第一歩だと思います。逆にこのビジョンがない場合は、検討する段階ではないということだと思います。

起業を考えている方は、いろいろ夢を想像しながら徐々に現実的な中長期ビジネスを紙に落としてビジョンを作ってみてください。 その上で、自分以外に2人、投資し自分でもその会社の役員として、そして同志として頑張りたいという方を見つけてください。そこでようやくベンチャー企業として成立検討がスタートする感じだと思います。その最初の3人は役割のバランスがとても重要です。例えば営業系だけ3人とか、技術系だけ3人というのは事業内容にもよりますが、少々バランスが悪いような気がします。

ちなみに、ベンチャービジネスは大手企業と比べて「無い」ことばかりです。それ故に「0」から作るので当たり前のことです。想定外のことも連発的に起こりますし、最初は良い人材もそれほど集まらないので、何でも自分でやっていかなければなりません。しかし、そのようないばらの道でも、その道は紛れもなく経営トップの方々が歩いてきた道であり、その道はかけがえのないものになると思います。

本気で考えている方は、是非、本気でチャレンジしてみてください。

そして機会がありましたら、全力で支援させてください。

蛇足ですが、ベンチャー企業のトップに向いているかどうかの大きな基準として、「マルチプレイヤーながら突出した能力を持つこと」というのがあると思います。独りで経理でも法務でも営業でも生産でもそつなくこなせるうえに、周囲から見て突出した能力(業界でも知られるくらいの有能さ)が最低限必要で、それに加えて、人間的な魅力(強烈な性格でも魅力があれば大丈夫だと思います)と体力が必要なのだと思います。それ故に、成功されているベンチャー企業の経営陣の方を私は年齢に関係なく、尊敬しています。なかなかできることじゃないです。

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