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システム開発の現場に覆面調査員

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ミシュランと言えばレストランの覆面調査ですが、最近では日本の色々な会社でこのやり方が注目されているようです。

急増する覆面調査員:NBonline(日経ビジネス オンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080508/155650/

覆面調査員はミステリーショッパーとも言われ、主婦を中心にお小遣い稼ぎとして広まっているそうです。例えば外食や小売などでサービスが行き届いているかどうかを本部機構が実態調査するのに利用されています。

この仕組を情報システムの開発に利用できないでしょうか。

最近はてな界隈で「社内ニート2.0」という言葉が注目を集めました。できるだけ仕事をしたくない人が、仕事をせずに、かつそれとばれないように会社内での立ち位置を確保するためにどうしたらよいかという方法について論じられているようです。

情報システムの開発においては様々なプロジェクト管理手法ならびに管理ツールの利用によって、生産の遅延を検知し、対策を行うことで費用・品質・期間を守った開発をする努力が行われます。

しかしこのプロジェクトマネージメント能力は人によって大きく異なります。たまたま運が良くて人材に恵まれたからプロジェクトが成功したのか、マネージメントがよくてプロジェクトが成功したのかを評価することは、1つや2つのプロジェクトでは難しいでしょう。

そこでプロジェクト管理能力の覆面調査です。プロジェクトメンバーに見せかけて調査員を送り込みます。

  • タスクをメンバーで勝手に共有したり交換したりする。
  • 進捗報告は「おおむね完成してます。あと少しです。」で済ませる。
  • 進捗報告に細かな数値を求められないよう話を逸らす。
  • 数値を報告する際は「70から80%の完成度です。もう少しだけ時間が必要です。」としておく。
  • 仕様相違や手戻りが「あったこと」にして、完成したプログラムをコネコネして時間をつぶす。
  • テスト時に「自分の責任でない」バグが発生したように見せかけて、プログラムをコネコネして時間をつぶす。
  • 時間を浪費した分の作業はプロジェクトマネージャに働きかけ、周囲の人に担当を振ってもらう。もちろん「新人のコードは私が全行レビューをします」など正当そうな理由を追加し、単純に仕事が遅い人と思われないようにする。
  • テスト漏れが発覚すると、これまでの作業を徹底的に調べられる恐れがある。そこで、テストツールをフル活用して信頼できるテスト結果を作成し、同じ事を手動でやる。テストツールの存在は誰にも悟られないようにする。

などなど。どれくらいさぼれるかを報告書にまとめるというのはどうでしょうか。ただし5つ星を取れるような管理の厳しいマネージャの下では人間関係など別の問題が出現する可能性もありますね。そういった場合を考えてナイーブな覆面調査員が潜入して……も、メロメロになってしまって調査ができなそうですね。

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