2分間で何ができるか
秋葉原の17人殺傷事件で、トラックが交差点に突っ込んでから警察官が犯人を取り押さえるまで、2分間しかなかったそうです。
あのあたりには交番があったような記憶があり、地図から検索してみたところ事件現場に近い秋葉原UDX内にありました。そもそも連日の過激なパフォーマンスあり、オタク狩りあり、違法コピーのソフトを販売する外国人集団ありであのあたりの一角は警官が多かったように思います。その中で犯罪が起きてしまうと、これ以上は警察に頼る事はできないようにも思います。
先日このブログで、情報システムのセキュリティは大きく4つの要素からなり、どれか1つが欠けると残りの3つだけで完全にカバーする事は難しいのではないか、ということを考えました。
一般システムエンジニアの刻苦勉励 > セキュリティの基本の基本 : ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/yohei/2008/06/post-846d.html
例えば人間のモラルが低下したり、人間がひどくミスをしやすい状況にある場合、システムの作りこみ等によるセキュリティ対策が無駄になってしまうことがあるということが考えられます。
私が考えたのは情報セキュリティの対策についてでしたが、今回の事件も同じような部分があるのではないでしょうか。何らかの対策が欠ける場合は他の対策をどれだけがんばろうとも効果がないというところは犯罪対策についても当てはまるように思います。
- 例えば厳罰化。どれだけ重い罪を課そうとも、思いつめた人を止める事はできないでしょう。
- 例えば危険な道具の規制。これも自分で作る、海外から取り寄せる、違法に売買を行なう、代替品を見つける等の方法により回避されてしまうでしょう。
- 例えば警官の増員。洞爺湖でサミットがありますが、そういった場所をある一定期間守るならば効果があるでしょうが、長期的にそのテンションを維持し続けるにはかなりの資源を浪費しますし、隙が生まれる事も予想されます。今回の事件でも交番や警察署のすぐ近くで事件が起きています。
こういった対策だけで今回のような犯罪の抑止効果は得られるでしょうか。情報システムのセキュリティ対策に人的なものが含まれるのと同様、人間に対して働きかけを行なっていく事が大切であるように感じました。
日本のあらゆる繁華街で警官が2分以内に駆けつけられるような体制を組む事も1つの解決策となるでしょう。しかし情報システムのセキュリティに関する「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ > PマークのPって何の意味?」のような動向を見ていると、必要とされているのは犯罪に至らないように相互作用する人と人との繋がり合いであるように思います。