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福留選手に「偶然だぞ」の応援ボード

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元中日ドラゴンズ今はカブスの福留孝介選手のブログに「偶然だぞ」という応援ボードを掲げられた感想が掲載されていました。

メジャーリーガーになった実感は特にないですけど、
最初の打席に向かうときすごい声援を頂き、厳しいと言われるシカゴのファンに
あたたかく迎えて頂いたので、一員になったという感じはしたかなぁ~。
ホッとしました。

『偶然だぞ』ボードはちょっと笑ってしまいました(^_^;)

福留孝介オフィシャルウェブサイト-fukudome1.com
http://www.fukudome1.com/diary/20080401.html

ニュースによると、「It's gonna happen」(何かが起こるぞ)をgoogle.comの英語⇒日本語の翻訳に通すと 「偶然だぞ」になってしまうとのことです。試しに翻訳してみるとその通りに表示されました。

福留孝介選手への応援ボードに「偶然だぞ」

ヒットを打ったときに「偶然だぞ」というボードを出されたら怒り出してしまいそうですが、その裏にある「何かを起こしてくれそうな選手だ。がんばってくれ」という本当の気持ちを知れば納得が行く事でしょう。

人間が扱う言葉というのは機械にとってはわかりづらいものであるせいか、機械任せの翻訳が大きな間違いを生んでしまったわけですが、人間と人間のコミュニケーションのことですので真意を知ることで誤解を解く事ができました。ではプログラミング言語を機械任せにするとどうでしょうか。

例えば自分の経験の範囲内ではLotus NotesのR5から6.5.xにバージョンアップを行った際、すべてのコードをコードチェックツールに通したことがありました。バージョンアップに伴い使用できなくなる関数をチェックしてくれるものです。使用できなくなる部分を書き直してテストをしてみると、やはり不具合を起こすところが出てきました。VB6からVB.NETへの変換もVisualStudioにお任せで自動実行したことがありますが、とても読みづらいソースが出てきて大幅な書き直しを余儀なくされました。こちらは読みづらいままでも実行すれば動作するのですが、将来の保守を考えるとそのまま使用するわけには行かないレベルでしたので修正しました。確かに正しいけれども人間には理解しがたいものを作り上げてしまうというのはとても機械らしい振る舞いであるように感じます。

先日、あるIT系ニュースサイトに掲載されたポインタの解説記事に誤りが見つかりました。

C/C++のポインタの機能--変数の場所(アドレス) - builder by ZDNet Japan
http://builder.japan.zdnet.com/sp/c-programming-language/story/0%2C3800083430%2C20370255%2C00.htm

これを見て思ったのは、google翻訳が状況に合わない訳を表示する可能性があるのと同様に、インターネットや参考書上のサンプルコードを無理解で使用するというのも危ないということです。誰が書いたかわからないようなコードであればそもそも信頼しませんが、その誤りの発信元が大手のニュースサイトだったり、はたまた開発元だったりすると大きな混乱を生みます。きっとカブスの応援に行った人も「googleの翻訳なら大きな間違いはないだろう」くらいに思っていたのではないでしょうか。例えば以前こんなニュースもありました。

GAME Watchの記事より。
Vistaでのゲーム開発においてIME関連のトラブルが頻発していたようだが、その原因の1つが「SDKのサンプルコードにバグがあり、開発者が知らずに使いまわしていた」ということだったらしい。
サンプルコードを作成してレビューしたマイクロソフト、知らずに使い回した開発者ともにミスがあったわけだが、とくに開発者の立場では、わかってはいても見逃しがちなミスではないかと思う。

スラッシュドット・ジャパン | Vistaでのゲーム開発で続発したトラブルの「笑えない原因」
http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=07/09/28/1254255

福留選手の件は「偶然だぞ」を印刷する前に日本語がわかる人に確認をもらっておけば回避できる問題でした。システム開発の現場でもインターネット上のサンプルコードをそのまま使ってしまうということがあると聞きます。それはきっと「偶然だぞ」と同じ危険性を孕んでいます。サンプルの仕組がわからないのであれば、理解できるまで調べるか、わかる人に聞かなくてはいけないと思いました。

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