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ロストジェネレーションの生まれです

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今日はオルタナティブ・ブロガーの会合がありました。そこで年齢の話になったのですが、昭和55年の生まれだと言ったら皆さんに驚かれました。あたりでは平凡パンチ(へーパン)を回し読みしたやら、就職した時に「新人類」と言われたやら、田中角栄の物真似(かなり上手)が披露されるというカオスな感じでした。

実は昭和55年生まれの前後1年ずつくらいはロストジェネレーションの真っ只中の層になります。ロストジェネレーションとは就職氷河期に就職活動をした世代を言います。戦後日本で大卒の就職率が最低となった55.1%は私が入社した年にたたき出された数値です。スポーツの世界では松坂世代と言われてスターが多いのですが、大学生は大変でした。

その影響で、やる気があったのに正社員になれなかった、または意中の企業に入社できなかったことから自暴自棄になって就職活動をやめてしまったなどの理由により、ニートやフリーターが多い世代でもあり、「偽装請負」や「二重派遣」などの割を食っている人が多いようです。また、私の大学の同級生でも一旦正社員になっておいて転職市場に注意を払い続けるという「腰掛」の人がいます。新卒での就職先にどこか納得できていない感じがあるのも我々の世代の特徴的な性質のひとつであるようです。

また、全員にあてはまることではありませんが、団塊世代またはポスト団塊世代の子供に当たる世代であるため、父親があっさりと早期退職させられたのを目の当たりにしていることもあります。自分が小学生の頃にバブルを経験しており、景気が良かった頃の父親の待遇を知っていることから、その豹変ぶりに「会社を信用しすぎてはいけない」というような心象を抱いている事もあります。

かく言う自分はインターンでSE体験をするなど割と積極的に就職活動をしたほうでしたので、就職活動の結果には満足しています。今就職活動をしている人にとってはあまり良いアドバイスではないかもしれませんが、振り返ってみると就職活動は自然体が一番重要だったように思います。

というのも、企業側と学生側では圧倒的に企業側に情報が偏在しているからです。企業側は毎年たくさんの学生の面接を行い、学生の情報を蓄積しています。それに対して学生はいくらOB訪問や企業研究に力を入れたところで、企業のその年の採用方針がわかるものではありません。意中の企業があったとしても、その年にその会社が「好む人材像」を完璧に分析する事はできません。ここ数年の変動が激しい情勢の中で、毎年同じような人材を採用し続けるという可能性も少ないと思います。

このように考えると、どのような人材が必要とされるかを予想する事は当たり外れが大きいように感じてきます。そこで、巷の噂で「元気が良い」とか「緻密である」とか「論理的である」とか「おもしろい」とか好き勝手に言われている「その会社が好む人材像」というのを無視し、面接では自分のやりたいように振舞ってきました。その自分を採用してくれるところが相性の良いところであると考えました。

ただし、自分に関する情報は相手の会社にとってはわかりづらいものです。場合によっては、学歴やSPIの点数などしか見られていない可能性もあります。そういった点は、面接の時に人事担当や面接官の印象を「こちらから」見極めました。自分という人間を理解しようとしてくれており、かつ自分に内定をくれるならそこは入社候補となり、そうでないならば面接の中間段階でも辞退しました。今の会社はここのところのフィーリングがすごく良かったです。

就職氷河期だとは言いましたが、それは裏返してみれば会社側も厳選して採用を行った年だったと言えるでしょう。会社の人事部の人員が急激に増減するとは思えませんので、500人採用する時と100人採用する時とでは1人1人に対する心配りは異なるはずです。また、自分達も、危機感を持って本気で就職活動をしたという人が少なくありません。

今日の会合では、自分よりも年上の方に囲まれてキャリアに関する色々なお話を聞かせていただくことができました。この場を借りてお礼申し上げます。世間では、ロストジェネレーションはすぐに転職する、そもそも働いていないやつが多い、本来やりたい仕事じゃなかったと腐って仕事をしない、仕事より友人・家庭を大切にし過ぎる、などなど言われたい放題ですが、この逆境をバネにして頑張っている人もたくさんいます。

これから会社を引っ張っていくのは『最悪』な年だった2003年入社の人間なのではないでしょうか。売り手市場とは違うのだよ!売り手市場とは!というハッタリを言い続けていればいつか本当になる日が来ないですかね。

それはそうと、劇場版スタートレックの新作みたいですね。ロストジェネレーション。

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