ペンを新しくすると文字を書きたくなるの法則
ペンを新しくすると文字を書きたくなります。新システムのリリースの際もこのことを考えると良いように思います。
新しいペンを使い始めました。というか、ずーっと使っていなかったペンをやっと使い始めました。そうすると、何か書きたい気分になって普段はメモに残さないようなことまで書いてしまいます。新しい手帳やメモ帳を買ったときも同じような気持ちになります。また、新しい靴を買ったときは外に出たくなりますし、新しい傘を持っているときは普段は嫌な気分になる雨も「早く雨が降らないかなー」という気持ちになります。 晴れの日は、気分良く。雨の日は、憂鬱。と、教えられたら、そう思い込んでしまう。 雨の日だって楽しい事はあるのに。受け取り方ひとつでまるで別物になってしまう脆弱なものだ、人の中の真実とはな。おっと。思わず世界の中心でアイを叫んでしまいました。
新システムがリリースされれば、利用者も「どれひとつ使ってみよう」という思いになるのではないでしょうか。こういった「あたらしもの好き」な性向というのは一種の本能に近いものであるように感じられますので、多くの人が備えていると思います。それならばこの性質を活かして、良いシステムを作ってしっかりと周知すればリリース後の利用率を高めることができるように思います。
反対に、最初に「試しに」で使う人があまり良くない印象を受けるような完成度でシステムをリリースしたり、いつの間にか新システムがリリースされていた、というような滑り出しはあまり良い影響を与えないでしょう。特に前者は「とりあえずコンパクトにリリースして、要望などを取りまとめて後ほど改修する」というパターンとなってしばしば見かけられます。最初の利用者の食いつきが良くないために要望が少なく、改修にすら至らなかった、というような悪循環に陥らないよう注意が必要です。例えばパイロット開発を行い、業務に精通した一部の利用者をプロジェクトに巻き込んできちんと改修点を絞り込むような手順が有効となることでしょう。
せっかく買ったペンも使い始めの印象が悪いと引き出しの奥深くに眠らせてしまいがちです。システムのリリースも、利用者が興味を持ってくれている最初が肝心だと思いました。
さて、以下はシステムと関係のない文房具の話です。自分が使い始めたペンというのはミニ檸檬という万年筆です。ラピュタという雑誌のオマケです。雑誌とあわせて980円というお値段でした。たとえ使えなかったとしてもレモン色がきれいなので観賞用として机に飾れるだろうと思い、衝動買いしました。なお、私は学生時代に京都の河原町の丸善に自転車で行けるところに住んでいましたが、売り場にレモンを置く代わりに寺町通でPCパーツの価格変動に目を光らせていました。
この万年筆は購入してすぐに一旦使い始めたのですが、間もなく盛大なインク漏れを起こしてしまいました。原因は私が万年筆を使い慣れていなかったことです。本を読みながら手遊びに握り締めていたのですが、体温で温まったインクが膨張して大規模な漏洩事故を起こしました。綺麗に洗って乾かしてそのまま文房具箱で冬眠状態になりました。
それから2年ほど経過し、先日ふと目が合ったのをきっかけにインクを買いに行って復活させました。しかしながらサラリーマン生活と万年筆はあまり相性が良くないように感じます。まずキャップがネジ式ですので電話や打ち合わせなどすぐにメモを取りたいときに向いていません。また、紙質によっては全然書けないこともあります。付箋紙とすごく相性が悪かったです。そういうときは万年筆にも負担がかかっているらしいですね。
それでも数日の間、仕事上の備忘やアイデアなどを書き留めるノート限定で使っていると愛着が湧いてきました。この不便さが万年筆の人気の秘密なのでしょうか。普通のボールペンならインクがかすれたら容赦なくグリグリやるのですが、万年筆のペン先の柔らかい感触からは何ともいえない頼りなさを感じてしまってそんなこともできません。しかし980円の雑誌のおまけでは本格的に壊れた場合にも修理やペンクリニックに出す事もためらわれるのが心配です。
なお、上の写真の真ん中は最近ゲットしたZDnetのロゴ入り3色ボールペンです。滑らかで使い易くて気に入っています。一番下はBICのブリーフィングというキワモノのボールペン+蛍光ペンです。ひねると下の写真のように気持ち悪く蛍光ペンが出てきます。ボールペンが太くてしっかりした字が書けるが気に入っているのですが、この蛍光ペンが繰り出る機構のせいで少しだけペン先がぐらつくように感じるのが残念でなりません。
この他にペンケースに入れているのはシャープペンです。ぺんてるのエルゴノミクスとゼブラのエアーフィットです。エアーフィットは壊れたのか元々なのかわかりませんが、一回のノックで出る芯の量が多目なのが少し苦手です。ものすごい量の文字をものすごいスピードで書かなくてはならない情報処理技術者試験の高度区分の午後試験の論文問題ではこの2本が活躍してくれます。芯は柔らかいほうが手の負担が軽いのでBを使っています。
これらの文房具をHelveticaのプリント入りペンケースに入れています。このペンケースとの出会いは、オルタナティブブログの喜望峰を目指しての「さて、これは何でしょう?」というエントリを見たことから訪れたdelfonicsのサイトで製品の画像を見たのがきっかけでした。欲しい気持ちが高まり、新丸ビルのデルフォニックス丸の内にまで足を運んでしまいました。そこで見つからなかったので一旦は諦めたのですが、池袋パルコ6階のスミスに行ったところ無事ゲットすることができました。上のBICブリーフィングはこのとき一緒に買いました。ペンケースにつけているBIC君はブリーフィングについていたものです。それとこれは偶然なのですが、同じ6階にあるgraniphで以前Helveticaのロゴ入りTシャツを購入したことがありました。もしこれが『Arial』だったら買ってないと思います。不思議な魅力がありますね。Helvetica。