「世界陸上」の舞台裏が裏過ぎる
世界陸上が盛り上がっています。
大阪の夏の暑さという難敵に世界のアスリートが挑戦する大会みたいになっていますが、
これだけ暑い中でも魅せる競技ができる方々はやはりすごいです。
“65億人”を魅了する「世界陸上」の舞台裏
という記事がITmediaに載っていました。
陸上競技というとピストルとストップウォッチさえあれば
だいたいの審判はできそうに思いますが、
色々とシステム化されているようです。
確かに全世界に映像を配信することに加えて
的確にデータを載せていくのは大変なことでしょう。
思えば、今年のウィンブルドンの大会では
テニスボールがIN/OUTだったかどうかを
コンピュータで判定するというおもしろい制度が導入されました。
確かに200キロですっ飛んでいくボールを正確に判定することは
難しいかもしれません。まだルールが発展途上だからか、
コンピュータ判定を願い出るのは3回まで、という制約つきでした。
なお、審判の判定が誤りで、コンピュータ判定により審判の判定が
覆った場合、すなわち選手の申告(チャレンジと呼ばれます)が
正しかった場合は3回の権利は減りません。
チャレンジの成功率が思ったよりも高くて
プロはやっぱり自分のショットに自信があるんだと思いました。
なお、ウィンブルドンでは以前から審判がつけたスコアが
インターネットやテレビと同期されているようです。
他には近いところで高校野球の決勝戦で
1球の投球がストライクだったのかボールだったのかというところで
議論があったようです。youtubeなどに動画が掲載されており、
難しいところにボールが行ってしまったもんだと思いました。
自分がスポーツをやってきた感覚から言うと、
ストライク/ボールとかIN/OUTというのは
物理的にボールがどうだったかというよりも
審判の目から見てどのように見えたか、というところが
判断の基準であるように思います。
それだとテレビカメラを通して試合を見る人にとっては
「審判どこ見てんだ」ということになりますので、
こうして機械の力が取り入れられていくのかもしれません。
そういうわけでITmediaの記事を見ていくと、
這い回るケーブルの束にぐっと来ます。
先を辿っていくとメルキオールとかバルタザールとかカスパーとか
書いてあるコンピュータがあるのかと思ったほどです。
また、モニターも液晶モニターに混ざってSONYのトリニトロン管が
置いてあったりして、映像業界というのもこだわりの深いところのようですね。
しかし一方で「本当にこれで大丈夫か?」と不安になるような
乱雑なケーブリングの写真がありました。
ケーブリングのお手本はこちらです。(ただし画像が小さいです)
HPは“MADE IN TOKYO”でワガママに対応します
大会期間は短いですので一回正常につながってしまえば
問題ないのだと思いますが、見ていて落ち着かない気持ちになるのは
職業病でしょうか。相手がいないLANケーブルとUSBケーブルが
HUBのようなものの上にコロンと転がっている写真もあり、
ケーブルに特にラベルも張られている様子も無いようです。
ノートPCか何かをつなぐんですかね?
どうやら女子100メートル走の決勝では
テレビに送出されたデータに誤りがあったそうです。
我々システム業界の人間が24pとか60iとかいうテレビの世界のことを
深く理解していないように、テレビの世界の人間も
ネットワーク周りに強い人が多くないのかもしれません。
たまたま見かけた写真の2,3枚で全体像を想像するのは危険ですが、
通信と放送の融合と言うのはこういうところからしてなかなか難しそうです。