ゴールデンウィークと労働力の再生産
楽しかったゴールデンウィークが終わりました。
やはり休暇というのは嬉しい/楽しいものです。
私が入社式で受けた訓示の中に
社会人として休暇をいかに過ごすか
という話題がありました。
- せっかくの休暇だからぱーっと遊ぶ人は欧米人的
- せっかくの休暇だから骨を休める人は日本人的
ぱーっと遊ぶことですっきりリフレッシュすれば、
休暇明けからしっかり仕事できます。
すっかり休んで肩凝りも目疲れも回復すれば
休暇明けから100%で仕事できます。
でもまとめて取るという必要はあるのでしょうか。
「その日の疲れ・ストレスは、その日のうちにすべて処理すること」
それを徹底すれば現代だって週休0日制でもよいのかもしれません。
「ちょ、係長!私明日がありますので。いや。もう無理です。
じゃキャバクラなら行く?とかそういう問題じゃ、あの、mftgyふじこlp」
となったせいで、職場で午前中サスペンド状態になっているという事例は
私の周りで見かけません。もはやテレビの中限定の存在かもしれません。
この「明日があります」というところは1つのポイントになります。
サラリーマンは会社勤めをするにあたって
会社で労働力を提供し、その対価としてお金をもらいます。
そのお金でご飯を食べます。ご飯は血となり肉となり、
いつか労働の糧となります。このサイクルを労働力の再生産と言います。
機械だったら生産で磨り減ったらそこで交換になりますが、
人間は素晴らしいことに職場で知識を吸収し、スキルアップして
もっとたくさん働けるようになるという性質があります。
それに留まることなく、会社からの給料をご飯や服に使う以外に
自己啓発に向けることもあります。(英語や簿記を習うなど)
更にすごいことに結婚して将来のサラリーマン予備軍まで生産します。
これはつまり子供を産み育てるということです。
こちらは拡大再生産とかいいます。
ここで子供を「生産」というと「産む機械」発言のようですが、
これは私がそう思って言うのではなく、昔からある経済学の考え方に基づいたものです。
このようなマルクス経済学の考え方の一部を取り上げれば
ゴールデンウィークは「あー疲れた」と羽根を伸ばすだけはだめです。
- 疲れた体を回復するのは基本。
- うっかり溜めてしまった家事をバッチ処理ですべて終わらせる。
- さらに資格取得や過去の振り返りでスキルアップ。
- 可能であれば結婚・出産に向かって努力する。
- 既に子がある家庭では、未来のために就業訓練を施すべし。
くらいの気概が必要です。
要するに、会社からもらったお金は長い目で見て
すべて会社に還元してもらいますよ、ということです。
休暇は休暇であって休暇でない。「再生産」の時間であるわけです。
学生の時に聞いたときには何とも思わなかったのに、
今聞くとなんと心が休まらない言葉なのだろうか!と思います。
もちろん、私がそのような思想を抱いているわけではありません。
これは経済活動をモデル化して捉えた1つの形であり、
理想像でも何でもありません。現実世界では、会社からもらったお金は
何に使おうと自由ですし、余暇の過ごし方も自由です。
しかしそうは言ってられない時代もありました。
かなり昔ですが、とにかくお金持ちがよりお金持ちになり、
労働者は働けど働けど楽にならない時代がありました。
ひどい所では給料のほとんどが天引の「食費」「住居費」などで
相殺されてしまったりします。
そうすると食うには困りませんが一生抜け出すことができません。
そのような時代に逆戻りすることは考えづらいですが、
多くの人の犠牲や努力があって今の労使関係があるということは
忘れてはならないことだと思います。
私は商学部に在籍しましたので、講義でそのように習いました。
ゴールデンウィークとメーデーを機会に少し思い出してみました。
ところどころ記憶が怪しいと思いますが……。
ちなみに私の休暇の過ごし方は、どこにも出かけずに
なんとかの憂鬱というビデオを見るという非常にのんびりしたものでした。