情報処理技術者試験制度が改革へ
情報処理技術者試験制度が改革を迎えようとしています。
ITスキルスタンダード(ITSS)との整合性をはかりつつ、
既存試験への不満としてあがっていた
- 試験回数が少ない
- 合格/不合格しか計測できない
- 10年も前に合格した人の実力も保証するのか
- 高度資格が論文重視で文系有利
などの点も解消したいね、という方向のようです。
あいまいな書きっぷりになっているのは、
現在まだ作業部会が検討をしている最中であり、
その報告を公開してパブリックコメントを募集している、という段階だからです。
パブリックコメント応募案内(2007年12月1日まで。PDFです)
私は上の問題点の4番目を逆手にとってまんまと
高度資格をゲットした者の1人としてパブリックコメントを
送るかどうかどうしたもんか、と考え中です。
なかなか思いが浮かびません。
下の2つの考えの間で揺れておるところです。
- 変わらなければしばらくは既存資格で有利な立場でいられるのに
- 変われば業界全体の未来が明るくなるはず
1点目は説明もほとんどいらないほど明快です。
正直に言ってこのままいてくれれば自分としてはかなり嬉しいです。
20代のシステムアナリスト/プロジェクトマネージャ保有者は
おそらく100人くらいしかいないと思いますので、
社内にも社外にも自分をアピールするポイントになります。
今の制度を完全に壊して新制度に移行する場合、
数年後には「シスアナ?プロマネ?それ何てベンダー?」
という認識になってしまう可能性もあります。
プロダクションエンジニアという資格は平成12年に廃止された
情報処理技術者試験の区分です。
それ以後に就職した私にとってはドキュメントにその名残を見る以外に、
どのような資格だったかイメージがわきません。
現在の情報処理技術者試験区分が完全に廃止されるとすると、
それと同じようになってしまうのかな?と思います。
私のように参考書代と受験費用で合計1万円以内のような
独学派にとってはそこまで痛くありませんが、
専門学校や通信教育に行った方にとっては講習代返せ!
と叫びたくなること請け合いでしょう。高いですからね。
それもあってか既存の資格を持った人は新制度のスタートラインで
有利に立てるようになるのが現実的な答えであるようです。
ここで考えるのは2点目の問題です。
せっかくの機会ですのでガラガラポンしてやれば良いと思っています。
既存資格保持者の優遇はまるで
「英検1級の人がTOEICの一部試験を免除しその分は満点とする」
ようなものかと思います。
既存試験に更新制度がなかったため、技術がある人とない人が
混在して怪しい状態になってしまった。それなら最初からその問題点を
新試験制度に持ち越さないのが良いのではないでしょうか。
それにより、技術のある人が多少の不利益を被ったとしても、
いつか新制度がすばらしい制度だと認識される日がくれば
十分な報いを得ることができるでしょう。
反対に言えば、既に能力/技術が十分でなく、
資格を失うと余計に困る人がたくさんしがみつくような資格では
楽をして移行できたとしてもそこに価値はない、とも言えます。
それは資格制度そのものの荒廃を招くでしょうし、
業界全体への不信感につながるかもしれません。
それなら「2006年システムアナリスト合格」というのが
どれくらいの実力だったかを未来永劫参照することができるよう
サービスを続けていただき、
- 旧資格に加えて新資格もいる人は取る。
- いらない人は取らない。
- どちらにしろ新資格に受からない人は諦める。
が良いです。
というわけで、「そら若い人はそうだろうね」と笑われるかもしれませんが、
アセンブラを知らない世代としてはできるだけ資格保持者の
不良債権を一掃できるといいんじゃないかなと考えております。
そうは言ってもそんなの理想論ですよね。私も既得権益側の抵抗勢力の1人ですので
そのまんまの意見をパブコメするかどうかはシステム監査技術者の合否によって考えます。