リーマンショックがあってもなくても 日本を取り巻く問題の本質は同じ
2008年9月14日。あのリーマン・ブラザーズが破綻してから1年経ちました。
08年5月、当時経営していたNIKKOの新株を発行、GMOインターネットへの第三者割当を実施し、8月末の株主総会で会長職を退任してから、、、加藤にとっては、わずか3週間後の大クラッシュでした。
20年に及んだ東京での生活、そして16年続けた広告会社の経営から離れ、PanAsia Partners PTE,LTDを起業すべくシンガポールに移住した直後の出来事だったこともあって、ほんとに驚きました。
あれから一年。世界経済は金融システムの動揺と実体経済の急激な落ち込みから、アジア(中国・インド・東南アジア)の牽引により、最悪期を脱し、予想を上回るスピードで立ち直ってきたと思います。
また主要各国が歩調を揃えて、金融機能の正常化努力と財政による景気刺激策をとったことが直接効いたとも言えるでしょう。
株式市場も中国インドの急回復に引っ張られる格好で、米欧、日本ともに3月上旬の安値から8月20日時点で約4割の回復を果たしていますしねぇ。もちろん資源価格が急回復したことも大きいと思います。(ex原油価格;2月の1バレル=30ドル台→今月は70ドル台)
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とくに最近、日本に一時帰国するたびに「加藤はなぜ、あのタイミングでNIKKOを離れ、シンガポールに移住したのか」みたいな質問をされることが多くなりました。
結論、加藤が生き方をかえたこと と 世界的な金融危機の発生のシンクロに関してはまったく偶然です。
そんなことを予見できるような眼力など、ありません。そんなことできりゃオカルトです。
ただ強く感じていた
・「人口減少、高齢化」「資源高、物価高」「温暖化、環境問題」「日本の相対ポジションの低下」「若者の覇気の無さ」・・・等々のさまざまな日本を取り巻く諸問題の存在
・そして、これらを打破するための「将来の日本のビジョン」を明確に示されていないこと
これらをなんとかするために、いろいろ考えるより、まずは解り易い行動と情報の発信(そして英語の勉強)を効果的にやろう!と思い立ち、動きはじめただけでした。
いっぽうで
金融危機はとんでもなく大きな爪跡を世界に残しました。
その世界的被災からをもいち早く快復し、世界景気を牽引するアジア復興の躍動の様子を、シンガポールから視ていると、金融危機があったことで、より21世紀世界の成長の原動力=そのマグマはアジアにあることがはっきりと顕在化したのではないか、と思っています。
日本を取り巻く変化のメガトレンドである少子高齢化とグローバル経済の進行は、一年前の金融危機があろうとなかろうと確実にじりじりと進行しています。
そして加藤はこの問題に正面から対峙し、対策できなければ日本に未来はない、とまで思っています。
世界金融危機はいろんな意味で不幸な2次問題も引き起こしましたが、
逆にちゃぶ台が根こそぎひっくり返ったことで、
否応なく眼前に突きつけられている現実を直視するようになったことは、日本にとってむしろ良いこととなったと思っています。
あの金融危機をはさんでも、微塵も変わらない大きな事実。
21世紀はアジアの世紀 ということ。
この日本を取り巻く閉塞感を打破するために「伸びるアジアとともに成長する」というビジョンを、自らの行動を通じて示すことが鍵となるのだ という想いは、昨年5月から今も変わっていません。