課題先進都市「大阪」の主役は誰か?
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今、世界中の都市問題、地方政策問題、環境問題、税制や社会保障問題など、あらゆる分野の専門家が注目している都市がある。
大阪だ。
日本は元々、欧米の先進国が2030年代に迎える高齢化率を現在迎えており、そこからくる社会保障費の増加や、生産人口の減少による経済的減退、お年寄り社会とそれ以外の世代との文化的GAPや衝突など、これから10年後・20年後を見据える欧米諸国にとって、いいお手本・試金石となる状況にある(下図:内閣府「高齢社会対策」資料より)。
そこにきて、さらに日本国内でも特に問題の集積地となるのが、大阪だ。
例えば、全国に13ある政令指定都市の財政を比較したデータを見てみると、大阪市は定員の健全度や将来負担の健全度(言い換えれば市民一人あたりの借金残高)などで、最も成績が悪い都市の一つとなる。
また、経済そのものの落ち込みも際立っており、1995年以降の県内総生産額の推移を比較すると、東京はもとより、全国平均をも激しく下回っている。
一方で、人口は大阪市だけで250万人。
この、「少子高齢化を先取りしており」「その中でさらに状況が悪化している都市であり」「世界の主要都市と比較に足るだけの人口を抱えている」という3つの条件を満たした大阪を、将来的な課題解決のためのラボとして捉える動きがあるらしい。
この詳細について、LinkedInという世界的なSNSサービスの日本の第一人者であり、大阪出身であり、大阪についての取り組みに着手し始めた谷口正樹氏に聞いてみた。
谷口 正樹 氏 プロファイル
Change Osaka編集長。教育系の学部を卒業後、クラウド型のeラーニング研修会社にてコンサルティング営業を担当。ソーシャルメディアマーケティングを手がける株式会社トライバルメディアハウスにうつり、特にビジネスSNS”LinkedIn”を専門としてサービスを提供。その後独立。現在は東京から地元大阪に戻り、ブログメディア”Change Osaka”の運営や各種イベント提供、企業のマーケティング活動の支援などを実施。
■最近「大阪の未来を考える」というテーマで、活動・イベントを仕掛けようとされていますが、どうして今「大阪」なんですか?
大阪出身であるという個人的な思い入れ以外に、大きくは、2つの背景があります。
1つ目は政治的な面ですが、橋下さんが物凄い勢いで改革をやろうとしている。大阪は、経済的に回復していくためには、行政は土台をつくる。ただ、その上に乗っかる民間のアクションがないと、大阪って復活しないという実感があります。
もう1つは、さらにその根底に流れるところなんですが、日本中の課題が集積されているのが、大阪だと思います。貧困・産業・いろんな課題が大阪には集積していて、異常な高齢化を考えると、この解決方法に、世界も注目しています。
課題だらけだからこそ、大阪の状況を打破して、世界に示していく、そんな気概で大阪にきている人も多い。世界に、範を示す。そんな意義があるのではないかと思っています。
■谷口さん個人の思い入れ・こだわりについてもう少し教えてください。
自分個人としては、これから人生を生きていくにあたって、人間一人が与えられる影響は、すごく小さいと自覚しています。だからこそ、僕が生まれ育った地域、家族、そういうところで、自分が果たせる価値提供をするのが幸せだ、という考え方もある。それが、僕の考え方。
自分の個人的なテーマとして、自分の人生を悔いなくするのに、地元というものがあります。自分にとっては、それが大阪。地元愛というものを持って、賛同してくださるのであれば、チームをつくって、動かして行きたい。
■谷口さんの「チームをつくり、動かしていく」という活動には、東京で活躍する大阪出身の方が多く含まれていると伺っていますが、実際には距離的な問題など、難しい部分もあるのではないですか?
コミットの度合いというのは、人それぞれでいいと思っています。それぞれ皆さん、自分自身を大切にしてもらうということを前提とすると、東京にいながらにして、というのも全然あると思います。小さいレベルでいえば、大阪でイベントを行うときに、東京の人に手伝ってもらうとか、ご自分の状況、自分なりの地元大阪にできることを発見してもらえたらいいな、と思っています。地元のことを考えるだけでも意味があると思いますし、自分なりの答えが見つかったら、いいなあと思います。
そういう人達がネットワーク化されていると、つながって、コラボレーションが起きていくんじゃないかと思います。
■それから、大阪出身以外の方々にも、期待をされているんですよね?
東京以外の場所が注目される、東京以外の可能性を考えさせられる場面って、結構あるんですよね。京都の町家のコミュニティとか、福岡の明星和楽(※アメリカのSWSXというイベントを模した、テクノロジー×アーティストの一大イベント)。
東京以外の様々な文化が、ポコポコ生まれているようなイメージがあります。
非東京からのムーブメントという流れが生まれてきているという感じがして、大きな枠組でいくと、政治の分権、あるいは地方で暮らすという文脈。そういう生き方は面白いし、そういうことに対するニーズがあると思う。東京以外のところでアクションを考えたいという方には、ぜひ参加して欲しいです。
■そんな中、9月27日に大阪について考えるイベントを東京で企画されていますが、どんな狙いで開催をするに至ったんですか?
私が10月から大阪に戻って、さっき話しをしたようなことを自分で実践しようと思っています。僕は、いろんな人と信頼できる絆ができることで、思いもよらないことが沢山起きるという経験を沢山してきたので、そういう人達をチームにしていく、ということをやっていきたいというのがきっかけです。
大阪への想いを持つ人達をコミュニティ化することで、凄い可能性が拡がると思っています。
■当日は何をするんですか?
大阪の未来をつくるとまではいかないですが、一緒に考える、考えるだけではなく一歩踏み出すような、そんな場にしたいと思います。
まず、大阪での出来事の多くは水面下で起きているので、僕自身が「今の大阪はこんな感じなんですよ」と、どんな観点から注目されるに値するかを、情報提供したいと思います。
後半は、ワールド・カフェ形式にて、大阪でどんなことができるかのアイデアを出し合うとともに、当事者として大阪にどうコミットできるかを考えて、それをアクションにつなげるきっかけにしたい、と思っています。
■このイベントが終わったあとに、どんなことが起きていくイメージですか?
最低ラインとしては、当事者意識を持った状態で、今の大阪の動向に注目してもらいたいと思います。その中で、自分にも何かできることがあると思ったら、小さなことでいいので、一歩・半歩ということを動いてもらえたらいいなあ、と思います。
必ずしも大阪に帰るということではなく、人それぞれ。
参加者のコミュニテイとしては、ゆるくコミュニティ化して、その中で大阪の動向などを、コミュニティを通して情報提供したり、議論していったりしたいと思います。
■このイベントに参加を検討している人へメッセージは?
この大阪というテーマは、自分的には間違いなく面白いと思っています。
ちょっと最近の改革の動きが興味あるな、という方であれば、水面下で起きていることも含めて、よくも悪くも人が集まりだしている・動き出している、ということを知るだけでも、とても面白いかと思います。
ぜひ、参加してください。
(以上、谷口正樹氏へのインタビュー)
いかがでしたでしょうか?
この課題先進都市「大阪」への取り組み、あなたも主役側に回ってはみませんか?
それでは
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