初詣で見かけたデジタルとアナログの乖離する風景
自宅の近所にTSUTAYAの大型店舗が出来たのが20年程前でした。
その当時は規模の小さいレンタルビデオ店が4店ほどあったと記憶していますが、前述のTSUTAYAの大型店舗が2店になってから、ほどなく全滅して閉店となりました。
そして2019年になった現在、近所にあったTUTAYAの大型店舗2店が閉店することとなりました。
この20年ほどの流れを思い返してみると、TSUTAYAはその経営形態とも関連し、オンライン化を先進的に進めたとは言えないように感じます。
自分自身の体験として、原因は良く覚えていませんが、会員手続きの際の身分証明書の提示手続きが煩雑で揉めてしまい、AppleTV や FireTVがサービスを拡大しつつあるタイミングでしたので、もう会員証は作らない(レンタルはしなくて良い)と判断しました。それ以降はそれまでTSUTAYAに支払っていた金額は、すべてAppleとAmazonに流れることとなりました。
旧来のレンタル事業は現物を扱う事業形態だっただけに、本人確認や信用確認は重要なことは理解できます。ただ事業機会、収益機会を最大化しようとした場合、アプローチは決定的に違ったものになります。
世の中には若年層も含めクレジットカートを持っていない、従来型の信用度合いのチェックではNGとなる人たちであっても、プリペイドカードを利用することで着実に収益をもたらしてくれます。
一歩近所のコンビニに行けば、Apple / Amazon / Google などのプリペイドカードがかなりのスペースを確保している光景が目に入ってきます。
この20年ほどで、TSUTAYAのように一時期規模の経済で個人商店を駆逐した事業者が、Apple / Amazon / Googleなどに駆逐されつつある現在を取り上げた訳ですが、いわゆるデジタル・トランスフォーメーションというIT化のビジネス・インパクトの大きさを感じる出来事ではありますが、これらGAFAと言われる企業が税金未納問題を抱えているのは皮肉としか言いようがありません。
1月2日の原宿は明治神宮に初詣をする人と、原宿観光する多くの外国人で大混雑の様相でした。
また、科学的に証明されていることをことさら取り上げる風潮がある現在の日本において、働き方改革で昭和的な働き方への批判、改革の必要性が毎日のように記事化され、人工知能が仕事を奪う的な論説が氾濫しています。
ですが、前述のようにデジタル化がどんどん進む時代においても、新年ともなると神社の参道には露店が軒先を並べる光景が出現します。
きっとこの記事を読んでいる皆さんの近所にあっても、幹線道路や商店街を眺めると、小規模事業者を駆逐した事業者の事業環境の変化とデジタル化を進めた外国資本の日本市場への浸透を確認できるのではないでしょうか。
その傍らで、このようなデジタル時代になっても神様へのお参りは忘れない日本人が居ます。
そして多くの観光客を集める明治神宮の初詣風景には、露天商のような超アナログな商売があればこそ成立する一部分が存在します。
このようなデジタルとアナログの乖離はきっとどの国にあっても生じている事柄だと思いますし、きっとその混沌さの違いがお国柄となる日も近いのかもしれないと感じた、2019年初頭の一日でした。
P.S.
フランスの暴動ではGAFAに法人税課税に向けた成果があったようですが、今後GAFAへの納税の包囲網がどのようになるのか気になります。