左脳が止まるとはこんなに凄い事なのか!脳科学者ジル・ボルト・テイラーが語る脳卒中体験が凄すぎる
偶然の積み重ねで、Googleが社員研修プログラムにマインドフルネス瞑想を取り入れていることを知りました。
最近リーダーシップ論、組織行動論を学んだ方だと、チクセント・ミハイのフローを含むポジティブ心理学、ダニエル・ゴールマンのEI(EQ)、こころの知能指数についてご存じんの方も多いかと。ビジネススクールなどの組織行動論一番メジャーな教科書と言われる、スティーブン P.ロビンスの『組織行動のマネジメント』には
EI(EQ)はあらゆる序列において、職務満足感と強い関係にあることが示されているが、特に社会的に交流の度合いが高い職務において両者は強い関係にあるようだ。当然のことならが、社会的交流こそがリーダーシップのすべてであるといえる。(P277)
ここまでのことが書かれています。
Googleにマインドフルネス瞑想を取り入れたのは、チャディー・メン・タンという人物ですが、彼はEI(EQ)の生みの親、ダニエル・ゴールマンにも協力を仰ぎながらサーチ・インサイド・ユアセルフ・プログラムを開発しています。
チャディー・メン・タン、ダニエル・ゴールマンはマサチューセッツ大学のジョン・カバットジンなどとも協力しながらこのプログラムをGoogleで展開しており、その内容は『サーチ! 富と幸福を高める自己探索メソッド』に詳しく紹介されています。
彼らの著書を読み進めると、世界一幸せな人と呼ばれるチベット仏教のお坊さんの話に出会うこととなります。ダライ・ラマはダニエル・ゴールマンを始めとする科学者との研究に前向きに取り組んでいるようで、チベット仏教の探究者の脳の状態を西洋科学が解明しようとするとどのような結果が得られるのかについてもいくつかの書籍が出版されています。
他方、チベット仏教のお坊さんの側からもいくつか書籍が出されており、ヨンゲイ・ミンゲール・リンポジェという人の、『「今、ここ」を生きる』という書籍を手にすることになりました。
そこには私と他人など、二元論で考えるのとは違う世界のことが出てくるのですが一向に理解が進まないというか、どのように考えることでそこに書かれていることを理解していけば良いのか悩んでいるときにこのビデオに出くわしました。
ジル・ボルト・テイラーは統合失調症の兄を持ったことをきっかけに小さい頃から脳に興味を抱く。同じものを見て、どうして兄ととわたしは反応が違うのか?
努力の末ハーバード大学で脳神経科学の専門家として活躍していた彼女は37歳で脳卒中に襲われました。幸い一命は取りとめましたが脳の機能は著しく損傷、言語中枢や運動感覚にも大きな影響があったようです。
以後8年に及ぶリハビリを経て復活を遂げた彼女は科学者として脳に何を発見し、どんな新たな気づきに到ったのかをこのビデオでは説明してくれています。
正直、このビデオを見て信用できないと感じる方も多くいるかもしれません。
自分もジル・ボルト・テイラーがハーバードの科学者という肩書があったとしても、前段に書いたポジティブ心理学やEI(EQ)と瞑想による幸せの感じ方と脳の構造変化について学んでいなかったら、時空という概念への興味がなければ印象はまったく違うものだったと思います。
これらに興味を持ち情報収集していた自分にとっては、自分と他者など二元論で考えることでの限界性について考え込んでいた自分にとって、テイラーの主張とリンポジェが説く世界との共通性に驚きを感じずにいられませんでした。
脳の状態として「世界一幸せな人」を計測できる時代。このような計測がスマートデバイスやらで簡単に実現したり、テイラーがこのビデオで触れている左脳が停止した状態を薬物などに頼らず体現できる時代がすぐそこに来ているのかもしれません。
(文中敬称略)