加熱用牛肉「除菌処理をすれば全て生食が可能」って大丈夫?
蓮舫消費者・食品安全担当相が「生食用」の基準において平成20年度に、国の基準を満たした生食用食肉の出荷実績があったのは、馬の肉・レバーだけだったにも関わらず規制強化を表明した事についてイマイチ訳がわからない…というエントリを5月に書きました。
震災関連、原発問題など大きな注目があつまる話題が多く、この食中毒のニュース報道も結局どこに問題があったのかを伝えているメディアがどの程度あるのか不明ではありますが、厚生労働省が規制強化とはある意味まったく反対方向の姿勢を打ち出した?というニュースがあったのでご紹介しておきます。
焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」(金沢市)の集団食中毒事件に絡み、加熱用牛肉の生食提供はしないよう通達してきた厚生労働省が、「除菌処理をすれば全て生食が可能」との言い方に変えていることが分かった。飲食店を指導してきた自治体側は「生食提供が認められたのか。内容が不明確で、指導方法が分からない」と困惑している。
従来の規制基準が厳しくてその基準を満たした生食用の肉が流通していなかったのか、その手間がコストに見合わず行われていなかったのか素人にはわかりませんが、そこまでの報道でわかったのは、「生食用の肉」と表看板を掲げられるモノがないけど、そこを踏まえて食べるか食べないかは自分で決めればいいかなと。
これが今回報道されているような、食品安全の専門家が「説明不足。誤解を生まないようにすべきだ」というような指摘をしている中、この新たな通達から、お店の側は当然顧客が安心するように厚生労働省の基準を満たしているから安全ですというアピールする事も容易に想像できます。
ただ何かしらそこで想定外の事が起きて事故が発生することは有り得るかもしれませんので、ここ最近得られた教訓から考えるに、国とか役所、サービス提供会社が安全といってもそれを鵜呑みにせず、個々人が自分で考えて行動することを大切さをここでも感じた次第です。