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Yagishita's alternative blog

PlaxoやDropboxにみる無償サービスのプレミアム化への対応の違い

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この1週間の内に、皆さんもよくお使いのサービスのプレミアム化の案内メールが来ました。 - Plaxo から、Outlookを対象とした同期サービスはプレミアムサービスの一部になるという案内 - Dropbox から、ファイルの更新 (削除) 履歴について30日分しか残さない。履歴を永久保存する場合は、有償サービスを利用して欲しいという案内

どちらも、無償のサービス内容を絞り込んで、プレミアムサービスを提案するという点では共通です。しかし、PlaxoとDropboxはそのアプローチに大きな違いがあると考えています。

Plaxoは実質的に有償サービスに切り替えるという意味ではないか

Plaxoは、異なるOS、クライアント環境間でアドレス帳やカレンダーを同期してくれます。Windows環境の場合Thunderbirdもありますが、圧倒的に多くの方はOutlookを使われていると思われます。今回の案内では、この多くの方々が有償サービスに「半ば強制的に」変更することになります。利用者に選択の自由を与えないこの案内はいかがなものかというのが第一印象ですね。

Plaxoを使っている理由は、OutlookとMacの環境でのアドレス帳、カレンダーの同期です。Snow Leopardがリリースされたら、そしたら直接見るようにしちゃおうと考えているため、それまでの期間にUS60ドルはどうかと思ってしまいますね。

Dropboxは選択の自由度が与えられている

Dropboxのclosed betaプログラムの参加者であったこともあり、一般的な無償ユーザーと異なり5GBのスペースが用意されていたので、困ったことがありません。無償ユーザーが削除履歴を永久的にもてるというのは、資源の管理上もったいないとは思っていたため、今回の案内はかなり納得のいくものでした。個人的にバックアップをとっていたりするので、現状に不満はなく、今後必要となったらプレミアムサービスを利用すればいいやと判断しました。

利用者が納得できる理由と選択の自由度がキー

最近、リンク:「ロングテール」のアンダーソン氏が提唱する直感に反したオンラインメディア料金体系 - jp.techcrunch.com" にてふれられているように、両社の案内は「無料版と有料プレミアム版の組み合わせ (freemiumというらしい)」そのものですね。この流れ自身はウェブサービスをビジネスにする以上、自然なものだと思います。しかし、利用者が納得できる理由と選択の自由度を与えておかないと、こうも印象が変わってしまうとは痛感します。「北風と太陽」といってもよいかと思いますが、あまり追い込むのは得策ではないということを再認識した案内でした。

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