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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

これから就職活動を始める方々、なかなか就職が決まらない方々に、もし少しでもご参考になれれば幸いです。

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私の見聞き間違いでなければ、大学生の就活開始時期を今よりもある程度遅らせようという動きに以前政治家が賛否両論を展開していました・・・個人的にはそもそもルールをあれこれ作るより、急ぎたい人は急ぎ、応じられる企業が個別に判断してそれに応じればいい気がします。むしろ内定取消しが起きないための制度やガイドラインを作ってもらう方がいいです。そういえば私も内内定を取り消されたことがあります。

一律何でも線を乱暴にあちこち引くから我々日本人のCapabilityは国際競争力をどんどん失っていくのです。早くやればいいとか、ただ遅い方がいいってもんじゃなく、そもそも適切なタイミングで開始する、つまり活動期間が長すぎることで学生と企業の双方に大きなストレスをかけるリスクについての軽減策を考えればよいってことでしょう。

 

とはいっても、実際就活やる人はどっちにしても一定、大変なんですよね。要は競争ですからね。新卒の場合、受験戦争とかいうけれど就職競争の方がさらにシビアです。しかも就業率も下がっているようですし。さらに震災の影響が拍車をかけちゃって、本当に困った・・・

そういえば最近親族とか周囲からも、どうやって就職先、目指す業界とか決めたらいいの?なんて相談をうけるようになりました・・・それだけトシとったんですね、ワタシ(泣)。先日も25歳の人材活用に関する相談をうけながら、「年取ったなあ、オレ」ってしみじみ思いました(苦笑)。

 

あくまで20年以上前の私の実体験、そしてその後いろいろ積み重ねてきた周囲からの体験談や自分なりの新卒市場に関する洞察を基本にして、簡単ですが意見を述べさせていただきたく。周知のこともあるでしょうけど、チェックリストの例だと思って少しでも活用いただけたら幸いです。

  

1. ターゲット企業の前に、ターゲットする業界を検討しているか?

2. 業界1位じゃなくて、新卒にとって1位の企業という観点で優先順位を考えているか?

3. そもそも自分がほんとに1位企業に行けると心底信じることができるか?

4. 自分が就業先からホントに欲しいものは何?(金、名声、出世、楽な、安定した生活・・・)

5. で、自分のアピールって何?そもそもしっかりしたものがあるの?

6. 考えようによっては必ずしも有名著名という枠で選ばなくてもいいんじゃないの?

7. 他人の参考意見を一度くらいは聞いてから活動方針・計画を決めました?

8. 最終決断はインスピレーションを超尊重してしなさい!

 

ランキングが雑誌にのるような企業の大半が私や当社、当業界にとってのクライアントです。が、我々の「就職先」は必ずしもそんな企業ばっかりじゃあないし、そもそもいわゆる上位企業であっても配属先が全ての新卒にとってキラキラしている場所や先輩たちとも限りません。運も相性もありますし。企業単位じゃなくて、何がやりたいかとか、そのためにどういう業界に自分は挑戦したいとか、ちゃんと考えているでしょうか?経験談でいうと、大体にして、そんなことちゃんと考えてない人の方が多いのです(要は私も当時考えていませんでしたってことです。泣)。ターゲット企業の前に、是非ターゲットする業界を検討しましょう。ターゲットできなくってもいい。ただ一度は考えてみましょう、自分がやりたいこと。その企業、○○株式会社に入社したい!って具体的に目標が定まっている人でなければ、過去やりたかったことも最近やりたいと思うことも含め、「やりたいこと」ありきでまず考えて、そのやりたいことの優先順位づけと、次に一番叶いそうな業界を定めましょう。そしてその中から応募候補にする会社をいくつか自分で分析してリストアップし、優先順位も考えて、そして就活を始めるのがいいと思います。

それから、志望する業界が定まったとして、繰り返しになりますが最大手みたいな単なるランキング1位は必ずしも新卒にとって1番の企業とは限りません。それに自分は必ずその1位企業に行けると心底信じて就活できるでしょうか?「2番じゃだめなんですか?」って話じゃありませんが、1番が叶わなくて2番や3番に甘んじたとしても、すねたり落ち込んでたりしたところで人生何も楽しくありません。何でもポジティブに考えましょう。だからまず自分が志望する業界を定め、自分勝手に応募対象企業を順番付けするんです。割り切りが確かに必要ですが、自分で評価し、ランキングするのです。

それから、その割り切りのためにも、自分が就業先にホントに求めているものが何か、この際自身の意識の中にはっきりさせておきましょう。お金、名声、(早い)出世、楽な生活、安定した生活、・・・等々、自分はどういう欲望をどんな優先順位で考えているのか、自分のロジックをはっきりしておきましょう。そうするともし転職することになっても、方向性がぶれないと思います。最初に就業した企業・組織においても、自分のこだわりをはっきり主張できます。主張しなくてもいろんな試練に耐えるときに必ず助けになります。

そして次に、その自分のこだわりをアピールできる、きちんと表現できるということが重要です。鍛錬すればプレゼンスキルとか、行動様式の向上等、実際の仕事の場でもきっと良い効果をもたらします。これらはどういう仕事をするにおいても大事なことなのです。例えば先日派遣的なニーズに対して一押しの人材を連れていって面談を組みました。クライアントが事後に評価のコメントをしてくださいました。「彼は、スキルは候補者の中で一番です。ただ、技術力はあるけど今回みたいに難しいクライアント達と交渉等コミュニケーションできる素養はあるのか、それはまだ疑問が残っています。」私は提案しました。「それは彼の心意気をあらためて問いましょう。それが我々にとっても悔いが残りません。若い人材はポテンシャルをみないとチャンスの与えようがありません。だから彼自身の言葉で努力を約束させましょう。」私は少なくともそういうポテンシャルを考慮することを忘れません。だから就業機会を希望する側は、自分のポテンシャルを精進させる意欲をきちんと相手に約束できる技能が重要です。そういう説明ができる才能がある人は、使う側の相手もきっと安心感を持ってくれます。ちなみに彼はきちんと自分の言葉や思いをまとめることができ、無事採用が決まりました。

私が最初に就職した会社は、結果は業界で有名な企業でしたが、私の判断の時点では単純に「あいうえお順でもABC順でも先頭に来る便利な会社」だっただけで()、採用応募もスピーディだったから最優先に考えただけでした。しかも別業界の第一候補には内内定を取り消されたので、2つ獲ってどっちかにしようと思っていた私は選択肢が1つになり、また別を追加で回るのも面倒くさいと思って「ここでいいや」ってまさに割り切ってしまいました(爆)。選択としては結果論では良かったと思っていますが綱渡りもいいところで。当時はまったく安直で、しかも企業が有名著名なんて思ってもいなかったので、経験的には、考えようによっては必ずしも有名著名という枠で考えなくてもいいんじゃないの?と思っています。勘や運だけを主張するつもりはないですが、よほど憧れの1社に絞ってない人以外は、確率論的には膨大な候補企業があるはずです。私個人は正直に言うと、ファームに入社するのしてももっと自身で調査・分析して絞り込んだ自己評価に基づいて回れば(もっと)よかったなあと思っています。大抵の人達は結局は「ひらめき」とか「直感」みたいな言葉の元に、最終的には決めるものです(後述)。最後はロジックじゃないんです。だからこそ、まず自分の欲に関する優先順位でまず対象企業を絞り込む。例えば「著名より収入」みたいな感じの人は、思い切って有名著名というキーワードを外して企業探しをすると、結構隠れた優良企業に出会えることもあります。当社のクライアントにも、なかなか表には出ないけれど、実は世界的に寡占シェアをもっていたり、すごい先進的技術や特許があったりと、むしろ結構に感動的な出会いもあると思います。

それから、他人の参考意見を一度くらいは聞いたりするといいです。自分のことではあるけれど、客観的に効果的活動方針・計画をまとめることができます。友人でも家族でも、恋人でも先輩でも。私の場合はバイト先の社長でした。その人の一言がなかったら、きっと私はいわゆるコンピューター・メーカーでソフトウェア開発に従事していたに違いありません。いろいろ自分で悩み、周りに回って調べに調べ、さあ方向を決めて志望先を絞り込もうといった横から、その社長の一言でいきなり方向まで変わり、そして前職に応募したくらいです。ITは好きだったけど、まさか会計士、会計事務所に応募するなんて、当初は考えてもみなかったなあ。自分の就職だけど、他人の意見は鵜呑みにせずに客観的意見として真摯に受け取れば結構参考になるし、私の例は不適合かもしれないけれど、時に大きな舵きりをするきっかけにもなります。ただ、あんまりたくさんの人から意見を聞くのはおすすめしません。迷うだけです。

そして最後に、「決める」手段は貴方のインスピレーションのみです。決断はロジックを反芻したりせず、ビシっと、きっぱり、自身の勘を信じましょう。もし他人側にたって客観的参考意見をいう場合は、その人のインスピレーションは超尊重しましょう。経験的に、ロジックに頼りすぎるとうまくいかないときにどうしてもふりかえることが多くなります。ふりかえるとポジティブ・シンキングにならないから特にこういう活動の場合はあんまりいいことないです。こういうときこそ、勘や度胸で乗り切りましょう。

 

私のときと事情や周囲環境が異なることは重々承知していますので、あくまでいくらか参考になればと書きました。とにかく、今後就活される皆さん、是非がんばってください!!

 

 

<ご参考>過去、関連エントリと思われるもの一覧(記憶範囲で再検索したので漏れはあるかも・・・)

http://blogs.itmedia.co.jp/torapapa/2007/05/post_d056.html

http://blogs.itmedia.co.jp/torapapa/2009/08/post-f7cb.html

http://blogs.itmedia.co.jp/torapapa/2009/11/post-38f8.html

http://blogs.itmedia.co.jp/torapapa/2009/11/post-036b.html

http://blogs.itmedia.co.jp/torapapa/2009/11/post-036b.html

http://blogs.itmedia.co.jp/torapapa/2009/12/post-ba99.html

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