シンガポールにて日本のビジネスセンスを憂う
シンガポールってコンセント形状が日本と違うから入国したら充電機会がなくバッテリー節約の日々(笑)・・・ということでごぶさたしてしまいました。
やっと昨日帰国してシンガポールに行ったツケをリカバリ中です。・・・そういえばその頃、東京は積雪だったそうで・・・誠にご愁傷様です。
数年ぶりに来たシンガポールは・・・さらに物価はあがった感じでした。
東京より安いとも思えないくらいで、ちっとも割安感はありません。
チップこそ習慣がないものの、水を買うにも結構な値段がする。
タクシーも結構な値段がする割に、なかなかつかまらない。どこから乗るにしても(ホテルからチェックアウト時に配車をお願いしない限り)10分以上待ちますね。空車待ちっていうより乗り降りするスポットが決まっているって感じで、そこで降りるタクシーを待つんです。だからそこで降りるタクシーが通らない限りはずっと待ちぼうけ(泣)。13時の会議に移動距離10分のタクシーを待つのに25分くらい待ちました(泣)。さすが現地の仲間はわかっていて、オフィスを12時15分に出発したので間に合いましたが・・・それに自動ドアじゃないんで開けてくれるとぼーっとしてたら置いてかれたりして(笑)。
全般的にサービス自体は悪くないんですが、タクシーだけじゃなくて、全てのサービスは日本に比べるとスローです。かといって当事者達は悪気もないしそういうお国なんだから、こちらも気長に待つしかない・・・それにしてもなんか普通に日本の生活水準くらいにどんどんCASHがなくなっていきます。
治安はいいのでそこは安心なんですけどね。
それで、今回のミーティングはクライアント7名、当社5名での提案と討議でしたが、12名のうちいわゆるウエスタン(欧米人)は4人だけ。あとはインド含めアジア人です。シンガポールという地域事情もありますが、アジアン・パワーさく裂です。ただその外資系が欧米企業なんでウエスタンの方がほとんど上役でしたけど。。。
日本はそのアジアン・パワーにおいて乗り遅れてますね。なかなかいい勉強になりました。
提案書の書き方、プレゼンの仕方、アジェンダ(進行表)の準備、リハーサルの程度、ディスカッションのやり方、等々、日本で普通に行われているやり方と違うところが多々ありました。でもそれは決して外資系流とか欧米、アジアパシフィック式、とかいう話じゃなかったですね。日本で外資系クライアントとやるときともちょっと違う気がしたし。
なんせ私以外にクライアント側にも日本人がいてその人が一番偉かったりして、その人のディスカッション・テクニックがそれはもう秀逸で、さすがだなあと感動していました。今はマルチ・ネーション、マルチ・カルチャーで仕事できないと難しい時代なんですね。あらためて痛感しました。
ところで良くも悪くもウエスタンやインディアのディスカッションというのは、結構お互いが「プライド」という言葉を何度も使って、自分の主張をしっかり言いますし、そう簡単に曲げようともしません。
日本人の感覚だと、もうちょっと歩み寄って妥結することも必要なのでは?と思うときもあるのですが、感覚的には「せっかくの貴重な時間。自身の経験や知恵を全面的に出し切って、議論しつくしてやる!」って雰囲気です。だから譲らないところは譲らないのでその会議断面でみたら結構非効率です。ロジック的には「絶対そこは結局折れるだろ」と思うところも、絶対その場では譲らない。持ち帰って戦略を練ってからあとで妥結するときにBarterを仕掛けるんだって。まあしたたかではあるが・・・そのBarterもおおむねこの時点で読めてると思うんだけどね。でも彼らに言わせると「そういう手順をふむことがあとで契約するときにも大事な条件交渉のカギになるから」って。なるほど・・・日本は契約文化が緩いですからなあ。
でも、そういうところを上手に模倣していくのも大事なんじゃないかなって気もしましたね。彼らの「仕事くれっ!」「そう簡単にやるもんか!もっと感動させてみろーっ!」「おうっ、上等じゃねーか、これならどうでぃっ!?」って・・・こんな江戸っ子な(?)会話なわけですよ。なんかはらはらするけど、でも譲れないところは絶対相容れないから獲れるときも絶対ちゃっちい額や利益率じゃないものになるんだろうなあ、みたいな・・・
自戒を込めて、
日本人ビジネスは、譲り過ぎなのかも知れない・・・もっと戦略を練り直そう。