有償無償の境界線
仕事を獲るには営業活動が必要だ。
先日、新規顧客候補に営業に行った。
結果論からふりかえれば、成果は上々だ。準備もまあまあ丁寧にしていたし、プレゼンの役割分担もおおまかにはすり合わせ済みだったし、クライアントの方々も最後は自分がフォローできるようなケミストリ(お人柄)であった。成就までは行かなかったが前進は確実にしたし、次の会合約束も確定した。次が勝負ともいえるが、メンバーの士気も保たれたであろう。
ただし、すでに費用が発生していることも事実だ。交通費や資料準備の営業経費、そして資料作成やプレゼン、ディスカッションに要するメンバー(私も含め)の稼働。
次回で仕事が獲れればそこで回収すればいい。
ただしメンバーの一部には「いつまで無償で奉仕すればいいのか」という声があるようだ。これには私からみれば2つの論点がある。
1つは、クライアントからすれば無償範囲が大きい方がありがたいに違いないから、戦略なしに営業していけば、エスカレートするのは当然ということだ。ちゃんと明確に境界線を示せばいい。どこから有償かを交渉すればいい。そして双方納得して有償になれば、それが契約成立、業務開始ということだ。
そしてもう1つだが、決定打がないから有償化の必要性に気づかないこともあるということだ。「あ、これは有償で提供を受けるべきことですね。失礼しました。ご契約をいたしましょう」とクライアントに言わせるべきなのだ。確かに無償を冗長に望むクライアントは、悪気がなくても一定数いるのは事実。だけど、
タダほど怖いものもない。
タダなら成果物の品質に文句を言われる筋合いはない。不満だったら「要りません。買いません」と言われておしまいという話だ。しかし有償になった途端に、対価すなわち「費用対効果」の概念が持ち込まれる。下手すれば瑕疵といわれる。有償にするためには胸を張って「成果を創出しクライアントを感動させる」自信があって、堂々と要求すべきだ。
少なくとも、自信のない段階で有償化してもそれはやぶへびというものだ。
ま、そうはいっても・・・正直、経費だけは早期回収したいのが本音ですけどね(苦笑)。