「事務局」呼ばわりで上等だ。
最近、いくつかのプロジェクトで、PMOの定義について議論することがある。
PMOとは、
PM(プロジェクトマネジャー)の支援をする組織・機能なのか、
その名の通り(?)、プロジェクトマネジメントの「事務局」なのか。
そして、
その「事務局」の機能範囲はどこまでなのか。
ところがこれが、
同じプロジェクト内においても、キーパーソン別に定義が異なることも多くなってきた。
つまり、
同じプロジェクト内においてもキーパーソン別、クライアント毎に期待は異なるってことだ。
ってことは、
同じプロジェクト内においてもベンダー別に提供サービス範囲も異なるってことだ。
我々は人材商売であり、サービス業である。
よって、クライアントやキーパーソンの複数の要求に対して、各クライアント/キーパーソンの要求仕様を及第以上に満たし、且つ全体最適なサービス・コンテンツであり、且つ働く我々スタッフ側にとっても、良い研鑚機会である、ということが重要であり、またそれが使命である。
少なくとも私はそう思っている。
しかし、
現実は、全てのクライアント/キーパーソンの要求仕様を及第以上に満たすことはとても難しいし、働く全ての我々スタッフ側にとって良い研鑚機会にすることも、とても難しい。
それでも、
少しでもその目標に近づけようとする努力を怠ってはならない。
少しでも多くの要求を満たしてあげようと考えなければ。
(もっとも、満たすべきでない、満たす必要のない要求に関しては除外するのだが)
というわけで、PMOの機能定義に話を戻すが(笑)、
「少しでも近づけよう」という意識にすればするほど、PMOの機能はやはり「事務局」ということになるだろう。
それが戦略的なものであっても、クラリカルなものであっても、「事務局」は事務局。
だけど、
「事務局」で何が悪い(笑)。
別に「事務局」呼ばわりされたところで、卑下されたわけじゃないし、事務局がいて(特に大規模)プロジェクトは全体が効率的に効果的に機能するのだ。
それよりも懸案は、PMOに問題解決を要求するクライアント/キーパーソンが最近ちらほら見かけられてきたことだ。それはPMの支援であって旧来のプロジェクトマネジメントの事務局という守備範囲を超えている。
問題解決には当事者ならではの経験・知恵が必要だ。業界知識、業務知識、その企業ならではのプロセス、文化、人柄、等々・・・そのクライアント企業の人に成り代わってのプレイヤーにならないと、十分に機能できない。
一定期間のキャッチアップをすればいいというかもしれないが、これだと旧来からの業者、古くからそのクライアントを知っているベンダーが圧倒的に有利、ということになる。
それは否定も批判もしない。ただ中立性、客観性としてどうなんだろう。新規参入を拒むベクトルが強くならないか、不安である。
もっとも、こういう要望が出ること自体、クライアントが問題解決能力の不足を感じているわけで、それを外部に協力を求めているという状況なのだから、誰かがその期待に応えなければいけないわけだ。それには当然「事情通」が有用だし、そういう人達と、中立性、客観性を注入する別の人達がうまく融合することが重要なんだと思う。
ただ、・・・いずれにしても「問題解決を支援」するには、当方側にもそのクライアント、その業界に関する深い知識や知恵が必要だ。だけどどれだけ我々サイドにそういうノウハウがこれまで蓄積できてこらただろうか・・・
この問いには、はなはだ、悲観的な回答をせざるを得ない。業務要件にしても技術要件にしても、我々の整理・統計学は、かなり努力が足りないように思う。
自戒を込めて、弊業界は、今こそ自分たち自身が変革を大きくしていくべきだ。