「リーダーは一番技能的に優秀でなければいけないか?」
そんな議論を最近しました。
その日の結論は、
「メンバーがついていきたくなるような立派な人間であれば、実務的な技能が一番優秀である必要はない」
という、一見、当然で納得という定義にて、その夜は散会となりました。
ただ、
その後、少し自分自身はあらためて考えをさらに進めてみました。
(それは、実は一番難しい定義、リーダーとして理想ではあるが、なかなかに実現が難しい定義なのでは?)
そんなことを考えていました。
「リーダー」を「プロジェクトマネジャー」におきかえてみますと、私はよくいろんなSCENEで次の4タイプにリーダーを定義していることになります。
戦略家
プロジェクトの戦略面を指揮
冷静な判断とタイミングの良さが武器
細かいことよりも「大局」を重視
新しいことを生み出す営業センス、企画センスを持つ
プロジェクト外(顧客、協力会社)に対する影響力
戦術家
戦術面(日々の実作業)を指揮
正確な指示と高い危機管理能力
些細なことも見逃さない繊細さを重視
「現場」をリードする漏れのないスキル
現場からの厚い支持が必須
先端技術・業界知識スペシャリスト
最先端の技術、最新業界動向を把握
プロジェクトに対する必須ノウハウの管理・提供
プロジェクトの行方を決める「必殺」スキルの醸成
営業センス・企画センスよりも「存在感」の誇示を重視
「関連業界」「関係者」に対する影響力の追求
ムードメーカー
プロ管の「+α」である「人間管理」を掌握
プロジェクト内外からの人望(=信頼)を重視
関係者全員の「キャリアプラン」を管理
プロジェクトの「HAPPY END」を睨む屈強な精神力
「トラブル解決」に全霊を注ぐ意思
前述の議論は、要は立派な「ムードメーカー」なら、別に実務スキルが一番優秀な人でなくてもリーダーになれる、ということに言い換えてもいいかも知れません。
ただ、私は経験的にとても痛感していることがあります。
上述の4つの中で、実はムードメーカーが一番難しいキャリアパスだと、私は思っているのです。
プロジェクトの全てのメンバーが各々求められているスキルや経験の総計を、リーダーたる自分が全部持ち合わせているはずもない。必ず何かを各メンバーの素養や資質に任せなければなりません。
自身の体験に基づいて言うと、
まだ自分が若くしてリーダーをやらされていた頃は、基本的に「戦術家」のスタイルをとっていましたが、自分の資質的に「戦略家」は難しいのではと当時は悟り、「ムードメーカー」を目指していました。
ですが、「ムードメーカー」にはなりきれていなかった、と今はふりかえりそう思います。
たぶん「ムードメーカー」と「戦略家」の半分半分の中途半端なポジショニングになっていたような気がする。そして今になってもなお、自分は基本スタイルとしてどうあるべきなのか、まだまだ成熟できていません(汗)。
リーダーを務めるというのは、かくも難しいことです・・・いつになっても、日々精進ですね。。。