提案書の書き方(基本のキ)
最近、従来はなんとなく一人で書いてしまっていた提案書を、プロジェクトの仲間とか他のアカウントマネジャーと連携して、共同作成する機会が増えてきています。
セカンドオピニオンといいますか、他者の意見も取り入れることで自己満足だったりエゴに近い強引なアプローチ、あるいは単なる誤解や不備に気づくことができると思います。作業も分担できて効果的で効率的です。
ただ、一般的に提案書は「コスト」であり「利益を生むために、生む前に作るモノ」です。
ですから稼動することに比重の高いメンバーにはできるだけ普段は必要最低限の部分だけ参加させつつ、時々余白時間を作ってそこで全体理論を教えてきたのですが、やはりこれからの時代、早くから経験させ、そして他者の意見を積極的に交換させていこう、自分が積み重ねてきたノウハウも伝承していこうということで、これまでの考え方をあらため、できるだけ周囲とシェアしようとしています。
一緒に他者と作成していて、もちろん斬新な気づきが得られることも多いのですが、同時に基本というのがみんなばらばらというか、むしろ応用から覚えてしまって基本が何かわかっていない人も多く、そういう人の場合、「こうしたらもっといいと思うけどなぁ」と諭しても、「そうですか?これまでこうやってきて特に悪いこともおきませんでしたけど。」とか言われちゃったりそんな顔されたりして・・・
(別に悪いって言ってないだろ・・・もっと工夫すると今よりさらに良くなるって言ってるのに。)
しょーがねーなぁ、と思いつつも、基本となるポイントはこちらも譲るつもりはないので「そうは言うけどさ」となんとか説得し、基本形も覚えてもらっていきます。
以前目次についてエントリもしましたが、とにかく提案書は仕事を獲るための一番大事な「ツール」。
・・・うーん、まあ一番かっていうと「プレゼン」テクニックの方でカバーできなくもないんだけど・・・でもでも、やっぱり提案書はプレゼン後にもクライアント先に残りそして「歩いていくモノ」なので、やっぱり大切かと。
で、そのポイントですが、あまり長文のエントリもどうかと思いますので、箇条書きで今回はひとまず失礼。
1. 冒頭で提案機会をいただいたことに深謝を述べる。
2. 提案依頼に基づいて提案する場合は、その依頼内容について当社理解を述べる。
3. 提案依頼の有無に限らず、必ず提案する取組の目的の定義と、おかれている背景について当社の分析を述べる。
4. 現存する問題やこれから直面するであろう課題について分析し、解決策を考察する。
5. 解決策はロードマップ(優先順位をつけてスケジュール化)にする。
6. 解決策の実施になぜ当社が必要なのかを説明する(Value Proposition)。
7. できればプレゼンが突然短時間になるリスクに備え、これらメインストーリーの要約スライド(エグゼクティブサマリー)を作っておく。
8. 取組体制図や各自の役割を明確にし、報酬を見積もる。
9. 事務的なことも含め、取組を始めるために必要な依頼事項を記載する。
10. 取組を成功させるために活用する予定のテクニック(アプローチ)を説明する。
11. 読み手が「読める書体、フォントサイズ」にする。
12. 相手先の問題・課題や過ちに言及する際は、相手の苦労を慮った表現にする。
13. 提案書(見積もり)の有効期限を書いておく。
箇条書きにすると単純で当たり前にも見えますが、意外と経験や勘に任せて書いているといくらか忘れたりするものです。時々こういうチェックリスト化するのはいいことだと信じています。
王道といいますか、正解というのは常に唯一とも限りませんから私と異なる意見の人もいるでしょう。今回は、これまで私が教わり、繰り返し試して自分なりに(基本の域を逸脱しない範囲で)改良を重ね、暖めてきたモノですので、その点はご容赦いただき、もし機会があれば活用いただけますと幸いです。