消費者金融「プロミス」有人店舗全廃の衝撃
米国にいて本邦のNEWSからちょっと「浦島太郎」状態になっていたものでいまさらですが(言い訳・・・苦笑)、最大手であるプロミスが2010年度中に有人店舗を全廃し、従業員も3割減らすと発表したことにとても衝撃を受けています。
一応金融業界のコンサルタントですので(苦笑)いろいろ知っていることもあり、守秘義務に触れる詳しい話はしづらいのですが、
「過払い利息」の件や規制強化で経営環境が悪化しているとはいえ、有人店舗全廃は同社が初めて。もっとも、対面によるカウンセリング窓口20拠点を新設するようですから、結局有人チャネルが不要ということでもなさそうですが。
それにしても今の時代、有人店舗から新規申し込みがほとんどないことがとても驚きです。
無人契約機とは、実際は完全自動審査ではなく、有人が遠隔地で与信判断をしていて、人間の思考に基づいて審査していることは事実のはずですが、いかんせん本当の対面で人柄とか微妙なところを最終判断するにはカメラや電話経由ではわからないレベルの与信情報を、今はそういうところ全部切り捨てるってことなんでしょう。
ある意味「簡易」金融でしかなくなり、「消費者」金融という言い方がこれからは変わっていくべきなのかも知れません。消費者の個々の事情はあまり考慮されないのですね。
そういうモデルで合格する人には新規で貸付が行われても、見込みのある一部多重債務者やそうでなくても従来なら微妙な部分を有人店舗で判断あって貸付が行われてきた人達には、もう手が差し伸べられることは難しいということなのかも知れません。
企業保全の観点だけで言うと、既に貸付している残高と平均回収額のサイクルを分析するに、有人店舗を駆使して微妙な領域から頑張って新規顧客を多数獲得する必要はもはやない、つまり現在の貸付残高を一定スケジュールで回収していくモデルだけ成立する企業体へ変革しておけば、少なくとも当分損はしないという算段があってのことだと思います(一応個人的に大手群は試算をした上で発言していますがエントリでは詳細公表は控えさせてください。すみません)。
ただ、クライアントサービスの観点から、それでいいんだろうかという単純な疑念も晴れません。
確かに昔に比べればバンキング業界(銀行やクレジットカード会社)が消費者対象の個人ローンを充実させてきていますからね。でもそうなってくると、いずれはというよりかなり近いうちに中小の消費者金融やクレジットカード・信販会社の多くは、結局大手に取り込まれてマーケットは、そしてビジネスモデルは大きく変わってしまう気がしますねえ。
マクロで論じると、結構な割合の人は、何かしら「借金をして」生活を成り立たせています。それが合法的企業の提供範囲でバランスする世の中が継続してもらえることを願うばかりです。金銭貸借(貸金)機能が大きく変わると、近いうちに(例えば)日本特有の治安を悪化させてしまうかもしれないなあなんて・・・こんな見解が、まったくの個人的勘違いで「ハイリスクな米国にいて神経質になっただけのこと。余計な心配だ」と笑止されれば幸いなことだなあとは思いましたが・・・
米国にいると、1ドルのチップを本当に嬉しそうに受け取る労働者にも出会います。そんな人の笑顔をみていると、これがほんとに「延滞当然」といわれる国なんだろうかという気もしてきます。
(日本にいると信じられませんが米国などは住宅ローンをはじめ借金返済の延滞・こげつきが本当に多いです。ちなみに20年前私がNYで仕事していた頃は、独自調査ですが当地では3割くらいの延滞率でした・・・)
!今月最後のエントリがつぶやきで終わってしまった・・・m(_ _)m
昨晩マイアミからNY入り、半日前は20度くらい。でも今は・・・-9度かあ・・・すげー寒い(苦笑)。明日は唯一の休日なんでブログをもういくつか書き溜め順次UPしたいと思います。