「おこぼれ営業」は悪いことか?
先日、仕事関係者と話していたとき、アカウントマネジャーとして、自力でセールス・チャネルを開拓できる能力の有無について、少々議論がありました。
曰く、上司・先輩の営業チャネルから、いくらかのクライアントや案件を紹介してもらい、つまり他人から分け与えてもらった営業機会は、「おこぼれ」だと。
で、「おこぼれ営業」は、自身で一から独自開拓する「自力営業」に比較して、営業能力的に劣っているのではないか、だからアカウントマネジャーとしては、あくまで目標は「自力営業」力に定めるべきで、「おこぼれ営業」に頼ってはならない、頼りすぎる人の評価は高くなくて当然なのではないか、と。
私は言いました。
「それは、全くの大間違いですヨ。」
アカウントマネジャーの本質をまだ十分実感できてない、まだまだ経験若い人の考え方だなあと・・・申し訳ないけど。
私の感覚で、99%のアカウントマネジャーは、まずは「おこぼれ営業」からスタートし、そして一定確率でそれを自分の世界で温めなおしていくうちに「ブレイクスルー」します。
経験的にも、自分のチャネルだ、ネットワークだ、と信じていたクライアントの方々は、ことごとく、自分の期待に反して、「お友達化」したり「つながりの輪から外れて」しまいました。これらは全て、私自身に問題があります。私自身に能力・魅力が足りなかったのです。自分が思っている以上に上司・先輩や仲間に能力・魅力、そして帰属会社が与えてくれる「看板」が相当に偉大だったのです。
そういう経験に打ちのめされた後に痛感しているのは、「自力営業」が開花・結実するなんて、超超ラッキーだってことです。言葉が悪いですが、軽々しく目指すもんじゃありません。
少しだけ生意気言わせていただければ、今、私の前に例えば「自力営業」チャネルが存在するようにみえたとして、その99%は全部もともとは数年前に「おこぼれ営業」からスタートし、そしてそれを自分の世界で温めなおしていくうちに一定確率で「ブレイクスルー」したものと、そこまではいってないけど営業先としては継続している「スモールヒット」の集合体に過ぎません。
確かに自力で開拓できたらすばらしいことですが、クライアントにもヒストリカルな世界があり、パワーゲームもあり、そして世代交代があります。私にとっても当時の上司・先輩、そして有能だった仲間から分け与えてもらったクライアント・チャネルを自分なりに誠実に暖めていき、いくらか不可避な洗い替えが起き、そうやって自然と洗練されていって、今のチャネルが形成されています。
つまりは、99%はもともと「おこぼれ営業」チャネルなんですよ(爆)。
要は、おこぼれか自力かなんて気にしないことです・・・
私もそろそろ世代交代をしなければなりません。なぜかというと私のクライアントもそろそろ良い御歳、そろそろの御役職ですし、つまりクライアント側では世代交代が起き始めています。私も順次、後進へ引き継ぎたいものです。
だからさ、「おこぼれ」なんて言わないでさ。素直に受け取ってよ(苦笑)
・・・っていうか、能動的に受け取りに来てくれればいいのに。
・・・きっとそうすれば、「おこぼれ」意識もかなり薄れて、オーナーシップが素直に持てるのではないかと思いまする^^;