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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

飼い主の責任

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私はイヌ型ですので、「飼い主」「飼い犬」という表現で今日のエントリを仕立てています。不快な人がいたら申し訳ありません。ですが、私は正直な気持ち、「社長の飼い犬」と思っていますし、同時に「部下の飼い主」だと思っていますけど、それぞれ、「大事にされている」と思っていますし、とてもとても「大事にしています」(のつもりです^^;)

なので、表現自体は単純な比喩だと、割り切って、以降お読みいただければ幸いです。

 

飼い主にとって一番困るのは、飼い主がいないときに飼い主の仲間やお客様等取引先関係にある人を咬まれる、つまり飼い主の期待していない方向に飼い犬が言動してしまうことです。

「飼い犬に咬まれる」といいますが、飼い主としては、まだ「その方がマシです」。

エスカレートすると暴走や狂騒に発展します。とても困ります。

 

一方で、「飼い犬」の気持ちもある程度はわかります。

「飼い主」の期待に応えたい。

私だって「飼い犬」モードが強いと、ついついそうしようとキバって(苦笑)しまいますから。

ただ、本当の飼い犬と飼い主の関係と、今回お話している人間関係においては、1つの大きな違いがあると思っています。

 

この場合、基本的に、「指示」も「命令」もなく、そこに存在するコミュニケーションは、「躾」だと思うのです。

 

最近、そもそもプロパーだけじゃなくて協力会社・協力社員を積極的に扱う「派遣型」サービスを扱い始めたこともあり、

そこにいる人に必ずしも「指示」や「命令」をすることが適切でない場合もあります。

 

それで、

或るプロジェクトを最初のモデルに、

1つの確認と3つのお願い

というのを始めました。

当該プロジェクトに弊社から参画している全てのメンバーに、我々は「クライアントサービス」という商売であることを意識あわせし、基本スタンスの合意形成をねらい、当方から直接の指示ができなかったり、追っての指導が充分できない状態にあっても、みんなで合意した方向性に従い、各自が己の責任や役割と全うしてもらいたいと願い、それを事業責任者として依頼するものです。

 

原文の全ては紹介できませんが、個別詳細を簡略した上でキーワード部分をご紹介します。

 

(前書き)

我々が行っている業務は「人材資本のサービス」です。従いまして、皆様が資本であり、唯一大事な存在です。当社は惜しみなくそれをリスペクトし、「最優先にて」サポート・バックアップしていく所存であることを、ここに宣言させていただきます。

そのかわりと申し上げるのは恐縮ですが、皆様方には、念のため、1つの確認と3つのお願いをさせていただきます。願わくば、謹んでお受取いただければ誠に幸いです。

⇒1つの確認⇒

私達のクライアントは「○○株式会社、○○事業部」です。

私達は、私達のクライアントの御ために、○○プロジェクトにて「支援業務」をいたします。

ですが、「支援」とは主体性を損なうことなく、積極的且つ能動的に幅広いサービスを、私達のクライアントの御ために、柔軟に行うことです(請け負えというわけではありません)。

私達の業務は「クライアント・サービス」ですので、基本的な考え方として、「クライアントの意向」は、私達個々の主義・主張に「常に優先」です。これは大原則とお考えください(無論、理不尽や非人道的な域はこの原則に含まれません)。

「サービス業の基本」として、「周囲と仲良く」仕事ができない人は、私達の「仲間」にみなすことはできません。丁寧で相手ありきのコミュニケーションができる方と信じて、アサインメントを決断し、皆様と合意しております。

当職にとっての、バイヤーは○○常務、オーナーは○○事業部長です。当職はこれを念頭に全ての言動をコントロールしております。皆様におけるカウンターパートが具体的に誰かについても、この機に今一度、ご確認ください。

1つ目のお願い⇒:プロフェッショナルとしての信条「What does Professional mean」

コンサルタントなのかエンジニアなのかプロジェクトマネジャーなのか、等の役職・役割に限らず、全てのメンバーに周知徹底していただきたい「What to do(心得)」として、次の3つを覚えてください。

① 何よりスピードが命です。素早くドラフト、すぐにレスポンスがとても大事です。

② アウトプットへの異常なまでの執着をみせてください。仮説付きでOK、ロジカルに、そしてファクトベースで。

3.いつまでも技を磨き続けてください。満足しても終わり、ましてや諦めたら、もうそこで貴方の成長は終わりです。

2つ目のお願い⇒:Never say “ I don’t know”
当たり前といわず、今一度「知らない」「やりたくない」 「私はプロジェクトに来たばかりなので」等の発言は禁則とご理解ください

また、どんなに気分や体調が優れずとも、誠意のない言動はおやめください(周囲に理由がわからない不機嫌な素振り、感情的な発言、連絡なく遅刻・欠勤する、挨拶なく帰路につく、等)

全てのプロジェクトメンバーは、基本的に私達の「仕事仲間」という原則論のもと、能力や外見、流儀の違い等を理由に、卑下・批判的な言動はお慎みください

お願いを守っていただければ、当事者解決ができない問題には、当社が必ず精一杯の誠意をもって、最大限マネジメント・コントロールいたします。

3つ目のお願い⇒:
弊社の社員として、「成りきってください」
ますよう、お願いします。

どのような契約関係・条件であろうとも、必ず当社は、「お願いを守ってくださる」皆様方を、弊社の社員として同列に厚く遇する所存ですし、方法論やトレーニングプログラム、その他アセットを、惜しみなく提供します。

そのかわりと言うのは恐縮ですが、皆様方には、弊社の社員として「成りきっていただく」ことを切望します。お取引の大前提として、ご理解いただければ幸いです。

「成りきる」ために必要なことはすみやかに対処しますので、いつでもご相談ください。当社は、皆様方を「当社の社員として」、必ず、最優先でサポートし、お守りいたします。

 

稚拙な部分というか、「俺達、そこまで子供じゃない、躾だと?ばかにするな」と思う人もいるかも知れません。

ですが、最近は、サービス業の原点にかえり、技術の優劣の前に、クライアントや周囲の関係者が「一緒に仕事、頑張ろう!」という気持ちで接してくれるかどうか、その関係を築けるかどうかが、所詮、プロジェクトにとって、最終的な成否の鍵になる気がしてしょうがないのです。

大抵のプロジェクトで人手や技術力が不足し、不足した体制のままで、それでもなんとか前に進めようとする以外に基本方針がない場合があります。

この「なんとか前に進めよう」の精神は、意外に大切だと考えているのです。

 

現場の「不足」を嘆き、後ろ向きに批判的に言動しても、当事者であればあるほど、何も始まらないし、前に進みません。

精神論を助長し、根性や執念の定着を狙う、というつもりはありません。ですが、従来は基本中の基本だと思っていた、このような前向きな姿勢が失われ、客商売の基本を無視した言動により、クライアントサービスが壊れてしまう事象に遭遇します。

 

よく、「キックオフ」とかいいますが、最初に1回やったら終わり、じゃなくて、定期的に、各自の問題を認識・共有し、協調体制を再構築し、士気を高く維持し、ゴールに向けて、強い意志で「ポジティブに」仕事にとりくむ「気持ちの醸成」、今、一番大事なことだと思っています。

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