管理職の定義
マクドナルドさんを代表例に、「店長は管理職」vs.「店長に残業代を」という司法の判断について、いろいろNEWSが流れていると認識しています。
私個人はまずマックがとっても大好きなので、それ自体で複雑な気持ちですが、ちょっとだけ自分の意見なり心証なりを語らせていただきたいなと思います。
かく言う自分もいつしか自分を「管理職」と名乗るようになりましたが、自分なりの定義としては、
1.預かっている、管理している「部下」がいる
2.「部下」を含めた行動・活動に関する方針について判断・定義の権限がある
これがMUSTで、あと(私が考える)社会通念みたいな条件があるとしたら、
3.一定水準の給与が与えられている
4.一定の経験年数、就業した実績がある
そんな感じかなあと思います。
今回のNEWSで非常に悩ましく感じるのは、
1については疑いもなく、
2についてはその権限範囲がどこまであるのかがちょっと論点でもあり、
さらには、
3については「店長」といっても残業代が出なくて納得できる給与水準なのかどうか、
4については年齢も含め経験年数と両方の観点から言って適当なのかどうか、
これらの判断が経営者側、雇用者側、組合、司法、それぞれに異なる考え方があるように思えています。
若干似たような議論と感じているのが、人材派遣会社において、大卒の新入社員にも関わらず高卒で3年以上の就業経験があると履歴職歴を偽り、派遣元責任者を名乗らせた事件があったかと思いますが、これから同業者になろうとしている私にあえて言わせていただければ、たった3年の就業経験を持った20代中盤の若手社員が「責任者」を名乗って派遣社員を本当にマネジメントできるのでしょうか、という疑問がありますが、表題冒頭のNEWSに関しても、1や2はともかく4について実績有りの人が3を充分満たしてもらえてないのだとしたら、それは残念ながら経営側に一定の(大きな)責任があるな、と私は思います。
少なくとも、このようなNEWSがいったん流れてしまった以上、じゃあ今後マック等に日常立ち寄った際に、店長さんらしき姿の方をみかけたときに、消費者はどのような同情の目を向けるだろうか、あるいは購買行動にどのようなプラ・マイのインパクトがあるだろうか、いずれにしても、一過性の問題ではなく、広くコンシューマ企業に幅広く存在する「店長」職の処遇基準について、こんなときこそお役所も司法の判例をスルーしてないで先頭にたって方針・指針を考えていただきたいな、と感じる今日この頃です。
最後に、蛇足かも知れませんが、1や2について当人の自覚と経営側の期待に多少のGAPが発生してしまうことは、どんな企業にも「有り得る」こととは思っているのですが、今回のNEWSの端々に、当人達は自分を管理職と思ってない、管理職の権限を与えられてない、とコメントしているのを聞くと、じゃあ経営陣は管理職の定義を彼らに全然説明してないってことじゃん?と不思議にも思えてくるのが正直気持ち悪いです・・・