お客様の味方=お客様の「正義」を守るということ
我々コンサルタントは、ユーザ企業とベンダーの間にたち、普通どちらかの立場で支援をします(ITプロジェクトのマネジメントコンサルティングの場合)。
つまり、どちらかの「味方」というポジションを基本に立ちます。
仮にユーザ企業側につくケースだったとします。
お客様視点で仕事をすることになります。
正しい行為なのであれば、ベンダーからみれば「ベンダーいじめじゃないのか」と言われそうなくらいの厳しい要求や依頼もします。
ただ、ときとして、お客様だって間違った戦略、戦術に基づいた言動をとってしまうことがあります。
ここで我々に求められる大事なことは、
お客様の「正義」を守るということ
です。そう信じています。
客商売だからといって、間違った、曲がったことを支援するわけにはいきません。
請負先であるベンダーに対し、明らかに越権と言われかねない「指示」「命令」をさせないように、
間違った戦略を信じている場合、その間違いに気付いてもらえるように、
厳密には「不正」行為にとられかねない言動をさせないように、
自責範囲を正しく理解してもらい、そして無理なことは無理と納得してもらえるように、
僭越ですが「躾」をしていくことも務めかと思っています。
だいぶ前のことですがあるお客様から「難しい案件があり困っているのでマネジメントをお願いしたい」と相談がきました。ただ、聞いているうちに、その取引スキームは多分、法的に違反じゃないかと思われるものでした。大変懇意の方からの紹介で、かつ報酬も高額だったので、最初はできるだけ期待に沿ってあげようと思いましたが、自分なりに確信し、
「それは技術的にできなくはありませんが、それは法律の専門家じゃない私でも、少なくとも何らかまずい点があるように思いますので、それを推進するお手伝いはいたしかねます。いつもごひいきにしていただき申し訳ないのですが、お客様の正義を守ることも私達業界の務めと信じていますので」
お断りする過程で揉めること、なじられることもたまにあります。
それでも、お客様が正しい判断できる状態にあること、正しい判断ができるための助言をすること、正しい判断に基づき言動するときの阻害要因に対して、全面的にその緩和・排除に協力すること、が、私達の務めと思っています。
監査人であれば、完全に中立的に立ち回ることもありますが、私の場合はごく稀です。
ですので、お仕えする先を決めたら、その「お客様のために」邁進します。
それを理解いただけるお客様と、できるだけたくさんつきあっていけたらなあと思っています。