ハマる時、ハマらない時
コンサルティングの仕事は、情報システムの開発でも絡まない限り、企画・分析・提言・導入・効果測定のルーティーンを資料という形に落とし込み、レポーティング&ディスカッションという形態の会議体でコンサルタントとお客様の思いをぶつけあうのが基本的な流れです。
これまでも「相性」というテーマでいくつかエントリを書いたのですが、
ハマる時、ハマらない時が、個々のコンサルタントで、交互にというか、その時々で評価が分かれることがあります。
評価対象がシステムのような別のものでなく、コンサルタントという人間そのものに大きく向いていることによるんじゃないかと思っています。
大抵、きちんと考えて、手抜きせずに精一杯やっていれば、もともと素養があるはずなのだから、
「よくやっていただいていますよ」
と、CS(顧客満足度)が悪いはずはない。
ただ、
「最高デス!素晴らしい」
と絶賛されるとき、それは、
どこかの誰かと、「相対的な比較」をされた結果に基づく評価によることが多いです。
そして、
複数のメンバーでプロジェクトを手がけている場合、
「どこかの誰か」が「同じ会社の仲間」だったりすることもあります。
こういうときは状況によっては実につらい。
「誰にでも必ず取柄がある」と主張してきたように、誰もが、一度以上はある案件にドンピシャ「ハマり」、相対評価でなくとも絶対評価として「素晴らしい」と絶賛されることがあることでしょう。
その人にとって勲章といっていいくらいに。
ただ、毎回ドンピシャということもないと思いますので、なまじドンピシャのあとに次の案件で相対的にその案件のドンピシャ「ハマっている同僚」と比べられたら、気分も乗らないし士気も下がるかも知れません。
それでも、一応は客商売。
そこはオトナに、なにくそと奮起一転、相対評価で負けないように、追いつき追い越せるように、そんなときこそドンピシャの自分の頃を思い出し、気合を入れなおして頑張ってほしいなと思います。
いつも「物事にゼロ100はない」と言い続けてきました。チームを組んで仕事をする以上、たまたまの相性の悪さ、自分のとっての受入環境の相対的不利、いろいろある可能性があるのですが、コンサルタントを名乗る以上、「仕事が辛くない」という状況は有り得ないのではないか。「楽しい」とか「充実してる」とか言うけれど、仕事自体は非常に辛い環境下で、それでも自分が精一杯やった証に、「素晴らしい」と賞賛されて、「辛さが報われる」のではないかと思います。
(感情的妨害とかハラスメント行為は、こんな理論からは問題外です。もちろん)
仲間がハマらないことを嘆いたり、自分がハマらないことを嘆いたりする前に、今一度、自分が「持てる全ての力をありったけの心を込めた状態で出し続けようとできているか」、厳しいようですが、きちんとセルフチェックする習慣が欲しいなと思います。