買収なんて誰だってされたくないからね・・・
実は最近、来期のためにM&Aを「検討」しています(注:検討でありまだ実行が決まったわけではありません)。詳細は書けませんが^^;新しい事業組織を立ち上げることになり、早期に事業を開始・展開してイニシアティブをとるために、「器」の確保を急いでいるという感じです。
昨今、オラクル→BEA、三越&伊勢丹、等々、M&Aという言葉、行為がたくさん聞かれます。
一時期「対等合併」という言葉もありましたが、最近はどっちかというと一方が他方を「買収」「吸収統合」する形が多いと思います。
実は弊社にも結構M&Aのオファーがたくさん来ていたそうです。
東京オフィス(日本法人)は100名。グローバルでも稼ぎ頭で収益性も安定した優等生のはずです。小さいながらも戦略からITマネジメントまで幅広くサービス提供しており、「購買対象」としては最適な「サイズと質」なんだそうです。
弊社の場合はUSに親会社があり、上場もしてないので特段防衛策をしているわけではないような感じですが、そんな気配がやってきたときは社長を筆頭に役員で正攻法をもって、その検討ステージに自らづかづかと上がっていき、きちんと協議して、・・・結局物別れ?これまではその繰り返しじゃないかな~と。
大事なことは感情的に自社防衛に固執するのではなく、適切な買収提案なのかを見極めて、仮に買収を受け入れるとしても、それが自社ならびに従業員にとって途轍もなくHAPPYだということを冷静に評価することにつきます。
ここでは創業者とか(私もそうですが)経営者・役員の利得を優先すべきではありません。もちろん我々に利得がなければM&Aを受け入れるわけもないわけですが^^;それだけで決めることは絶対ないということです。
やっとどうにか、最近M&Aに関するコンサルティング依頼も来るようになりました。上場後の成長戦略企画の依頼もちらちら来るようになりました。
少しずつ学ぶことができて、そして最近自身もM&A検討にかかわり出したこともあり、優先順位はやはり、こうなんじゃないかと思っています。
(1)M&Aによってそれぞれの企業が明らかに収益性を劇的に向上させることが明らかである
(2)M&Aしても双方の従業員の幸福度は以前と変わらないか、あるいは前以上にHAPPYになる
(3)M&Aにより取り扱う商品・サービスがさらに競争力を増し、顧客から受入易いものとなる
(4)創業者・経営もそれなりに利得がありHAPPYになれる
追記すると、自分が当事者の場合は(1)から(3)まで全てが大事に思えますが、それでもこの順序は多分変わらないし、また自分がM&Aのコンサルティングをする立場の場合は、優先順位は変わらないものの、(3)が成立しないとコンサルティングを請ける意味がないので、そういう点でとても重要に考えます。
ところで、タイトルにああ書いたのは、最近は創業者・経営の利得のためにM&Aを希望される相談の割合が増えているからです。
「もう飽きた。ここでキャッシュを得て違うことをやりたい」
「親の事業を継ぎたくない。誰かに売り払ってしまいたい」
と、事情もいろいろあるのでしょうが、雇用されている従業員や、現在商品やサービスの提供を受けている顧客のことを全く無視した言葉を臆することもなく口にする依頼者が多いのです。
悲観的とまでにとらえてもいませんが、「時代が変わったなあ」と、最近、とてもしみじみしてしまいます・・・