「仕事に就けない」恐怖
全体的には活況のIT業界なのでしょうが、それでも現時点、それもある程度の期間、「仕事に就けない」人がどの企業にもいくらか存在します(注)。
SEもコンサルタントも、対顧であれ社内であれプロジェクトに実際就くことができて、実力を発揮できるわけで、その「仕事がない」となると当人の不安は言葉にするには難しいくらいの恐怖がのしかかっています。
「この人と一緒に仕事がしたい」
「OK、じゃあこの提案獲るから一緒にやろう」
・・・で、数週間経過。
なかなか提案通りにお客様が合意してくれず、「仕事が始まらない」。
会社で待機の毎日。
「早く仕事始まんねーかなぁ。。。」
こういうときに限ってエージェントからいろいろお誘いがきます。
ついつい話を聞いてしまう。
なんとなく、隣の芝生がより青く見えてしまう。
ううーっ。悩むじゃないかあ。「早くしてくれーっ!」
これは明らかにプロジェクトをディールクローズ(契約獲得)する、アカウントマネジャー側に責任があります。
待機しているメンバーの資質が、プロジェクトニーズにパーフェクトマッチしない、というのは言い訳になりません。
仮に単価200万円のコンサルタントが半月仕事に就けなかったら、100万円の売上機会損失です。
あるいは、その人に支払われる数十万円のお給与および社会保険その他経費の一方的支出です。
アカウントマネジャーの立場にいる人には、この「仕事に就けない」恐怖の重要性を再認識し、リスクは管理しつつも、最悪離職されかねないその貴重な人材へのケアをきちんとする必要があります。
ディールクローズを早急に、という単純な話でなく、普段からよく対話して、継続的コミュニケーションから、当人のアラートレベルをよくプロファイリングする必要があります。
「恐怖を感じている」人も、ご自分自身のためにも、帰属する会社、その「仰いでいる」上司へ、自分の就業意欲を日々訴えて欲しいと思います。
ある知人の経験談、「信望するあまり、ディールクローズに向けてがんばっているその人に言いづらい、その人の立場もあるし、会社にもアピールしづらい」と相談されたことがありますが、私は、「それがどうした!」と助言したことがあります。
アカウントマネジャーも知人だったので、後日、「もっと信用して一緒に提案活動しなさい」と言いました。
ディールクローズの責任を負うのは結構、でも実行にあたってはその「大事な部下」が中心になって価値創出するんだろ?!と。
全ては日頃のコミュニケーションが不足していることが発端なようです。双方から気をつけて日々過ごしていきたいものです。
(注)ちなみに、前職では「available」、弊社では「bench」と言ってます(野球みたいですよね・・・)