「アンフェアなフェアネス」
最近、割合「評価」とか「採用」のテーマでエントリ書くことが増えているような気がしてます・・・で、そんな中、ふと前職の上司が口癖で言っていたことを思い出しまして。
新人のとき、(今でも)尊敬する上司から、「アンフェアなフェアネス」という言葉をいつも説明されていました。
・・・いいか、この世に全く同じプロジェクトや役割なんてものは存在しないんだ。
どんなプロジェクト・役割でも個性や特徴があって、その中で複数の人が全く同じ基準で評価されることは極めて難しい。
だから、評価基準は公表されないし、「あいつなんであんなにいい評価なんだ」「なんであいつが昇進すんの」って思うかも知れないけど、その「あいつ」にだって、そして誰に対しても、基準は公表されていないんだよ。
みんな「不公平だ」ってみんなが「平等に」わかっているから、だからウチではこれを
『アンフェアなフェアネス』
って言うんだ。
だから、評価基準が見えないなんて文句なんか言わないで耽々と実績で示すんだ。
それが大人の世界というものなんだぞ!
ハイ!先輩!!
・・・そして18年。
うーん・・・今思えば、やっぱ「屁理屈」だよなあ・・・(爆)
大抵のコンサルタントにとって、1つ上の職位への「昇格」は、目前の目標として明白です。
「一芸のみ」での昇格には慎重論が必要とは思いますし、スキルや経験の評価を無視してもいけないが、或る程度の年功序列的な昇格はあってもいいと個人的には思っています(もっともBilling Rateによって、より慎重な議論は要るでしょう)。
とはいえ、昇格判定には評価基準が必要です。
あいまいすぎるのは最悪なので、キャリアモデルを定義します。
各職位は平均的に何年間務めて次の職位へ「昇格」できる権利が発生するのか、
各職位ではどのようなスキルが求められ、基本的にどのような役割を担うのか。
ある程度、評価基準が定義されます。
しかし、一般的に、昇格基準も含めて評価基準というものは公表されません。
あくまで評価軸程度に留められているのが大抵の会社での現状と思います。
また、そもそも基準は詳細に定義されてないことも多いのではないでしょうか。
不肖、一時期は詳細定義を試みてもみました。が、やはり個性や得意領域の違いを同一の詳細基準で評価することは難しいし、詳細にすればするほど被評価者の納得醸成もかえって難しくなるような気がしました。
少々一般論ですが、「CS」「品質」「専門領域」「マネジメント能力」「基本ビジネススキル」程度の評価軸に対して、基本評価方針を簡潔に定義し、詳細な評価基準は必要に応じて「個人別に」定義してあげるのが最適(=理想)なのではないかと、最近は考えていたりします。
別のエントリでも書きましたが、「金銭欲」と「出世欲」の優先順位と比重が人によって異なるので「出世欲」の強い人にはより明確に昇格条件をまめに話しあう必要があると思いますし、「金銭欲」のために昇格を果たしたい人も同様に、昇格条件を話し合う必要があると考えます。
特に、会社の制度や仕事内容についての不満や不安を聞きだす仕組みとして、「メンタリング」だけに頼るのはどうかと思います。一例として「Upward Evaluation」があります。部下が匿名で上司を評価するもので、そこに会社の仕組みや制度等に対する不満・不安も書くことができます。
が、弊社のように小規模ではそれが則しているかは要検討だと思います(評価者がばれやすいので)。
このような中で、昇格される人、されない人が出てきます。
中には不公平感を訴える人がいます。
ですから上述の「呪文」でみんなを割り切らせようとしたのかも知れません。
(一方で私個人は考え方次第、使い方次第ではとても「良い言葉(表現でしょうか)」だと今でも思います。)
評価基準があんまり透明だと、「俺、こんなに出来ないことあんの?!」とか当時思ってたかも知れません。
それよりは、明らかに改善すべき点と、評価されている「長所」について厳選してコメントしてもらえた方が、当時は明らかにやる気になっていけたと思います。
キャリアを積むにつれ、自分の得意領域が明確になり、自信が芽生え、「俺のここを観ろ!!(評価してくれの意)」と言いたくなるのが正直なところ。
当然、競争意識だって強くなっていきます。
昇格や高評価の「目安」を事前に提示しあって評価者と被評価者で合意形成しておくことは有意義と思いますが、会社で統一された評価基準を、しかも公表できる透明性を担保して定義することは、正直難しいですね・・・
あー・・・またオチのないエントリになってしまいました。スミマセン・・・