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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

「酒気帯び」プロジェクト、危ないですよ。

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本当の飲酒運転同様、とても危険な「酒気帯び」状態のプロジェクト、泥酔酩酊は論外ですが、最近ホントに多いなと痛感しています。

1.       「酒気帯び」であるとの自覚がない。

l         進捗も品質も順調そのものと信じて疑いなく、普段通りに進めていけばいいや、と気楽に構えているが、実は判断をいくつか誤り、既に悪い方向にプロジェクトは向かっている。

l         なまじ「泥酔酩酊」じゃないだけに、非常に悪い状況を表面上は自覚する気配がない。よって運営管理側から悪い点を反省し、改善しようという空気が形成されない。

2.       「酒気帯び」程度にハイな方が、むしろ「素面」より絶好調だと信じきっている。

l         ちょっとまずいかな程度の実感があっても、そのくらいのメリハリがあった方が修羅場慣れもして最終的にはいい形で乗り切れるものだ!と大きな誤解をしたままプロジェクトを進行させてしまう。

l         ちょっとまずいかな的問題を一度うまく乗り切れてしまった時に、それをとても大きな成功体験と信じ、これで今後はきっと大丈夫!と安易に纏め、教訓を整理もせずに楽観的に考える。

3.       「酒気帯び」であることを検査・判定されることを思いっきり拒絶したがる。

l         実は「酒気帯び」とバレるのが嫌なので、実情露呈行為を極端に嫌がる。(悪意かどうかは別にして)隠蔽された事実を調査・検証しようとする言動を思いっきり否定、拒否する空気を形成して状況を繕う。

l         まずいと指摘されてしまったことに関しても、当事者は反省することなく、「大丈夫、大丈夫だから」「とりあえず任せておいてください」と日和見的にコメントして無難にみせ、本来の論点をかわそうとする。

4.       「飲酒」した事実を周囲も知ってはいるが、止めることができない。

l         当事者が反省しないので、周囲も指摘することがだんだん無駄に思えてきて、なんでもいいから「早く事が終わってくれないかな」「もし予想通り失敗しても自分のせいじゃないもんね」と、どんどん当事者意識は全体的に薄れていく。

l         さらに時間が経過するにつれ、関係者は放置していることに対する罪悪感にも苛まれ、的確で十分な処方箋が思いつかない限り、問題指摘や改善の指揮をとる行為になかなか積極的に取り組んでいけない体質になっていく。

5.       「酒気帯び」と思っているが、実は結構に「酔っ払っている!」。

l         実は、結構「酔っ払っていた!!」ので、まともな話をしても相手にしない、できない。ここまできてしまうと、正しいと思った行為全般的に時間を割くこと自体ばかばかしくなってきて、誰も患部には目を向けなくなってしまう。

l         「酔っ払っている」ので、そもそも建設的に改善意見を進言したところで、感情的に反論され、相手にしてもらえない。末期的状態。

6.       「飲酒」しているため、保険が利かない。

l         外部から既に問題プロジェクト視され、助けてあげようという気概がうまれなくなる。こうなっては、もはや助言もなければ応援もされない。

l         完全に「問題プロジェクト」化したと断定された暁には、もはや周囲からは注目されるどころか無視、嘲笑されることとなり、本来なら救援すべき有能な人材や有用なアセットを撤収するといった救済措置の気力すら全てなくなってしまっていく。

「酒気帯び」のまま、いくらかの時間経過を経てアルコールが抜けて、最悪の事態の前に正気に戻り回帰回復してくれればいいのですが、相当数のプロジェクトは、結局そういう「自己治癒」できずに、「さらに勢いで飲酒」したり、「時間的猶予がなく」、回復不可能な最悪の事態へ突入していきます。

「ん?・・・何かがおかしい・・・?!」

この時点で、しっかり疑って悪いところを早めに治していくのが大事なんですが・・・

弊社の創業者が数年前に言った言葉。

「世の中のビジネスプロジェクトはその45%しか成功裏に終われず、残りは品質・納期・予算のいずれかの点で失敗に終わる」

まあ、ここまで刹那的に語るのもどうかと思う方もいらっしゃると思いますが、確かに、

「基本的にプロジェクトの成功確率は50:50なのできちんと計画してちゃんと運営・管理していかないときっと失敗してしまいますよ。」

と小生も同感します。

プロジェクトマネジメント支援のコンサルティングサービスを開始する際には、期間と作業量はケースバイケースですが、必ず上記の「酒気帯びチェック」エッセンスを盛り込んだアセスメント(診断)をしてから、お客様や仕事仲間に改善の助言を始めるようにしています。

飲酒運転のタクシーなんか乗りたくないですもんね。そんな環境に部下を投入なんてできません・・・

いささか抽象的な記述の記事になりましたが、上記のような観点を基本チェックポイントに共鳴する方々がもしいらっしゃいましたら、よろしければ参考としていただければ幸いです(あ、逆説的活用も含めて・・・^^;)。

今年最初のプロ管系記事になりましたが、これからも気づいたことをいろいろ定期的に考察していきたいと思います!

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