PMO支援の依頼が止まりません・・・
現時点可能な要員はほぼ全員掃けてしまっているのに、PMO支援の依頼がまったく止まりません。一部サービスをコモディティ化して効率化を早期に図らないと、このままでは受けきれない状況です(汗)・・・
5年前から「プロジェクトマネジメント支援」とサービス名称をつけて数々のプロジェクト支援を展開してきましたが、
これまでの経験上、
統計的には、
プロジェクトに大きなトラブルをもたらす原因は大枠、下記5つと分析しています。
1.マスタースケジュール/プロジェクト計画が形骸化
初期作成時点でマネジメントが現実性をきちんと内容精査をしなかった
特定個人が勝手に作ったため、各チームやメンバーが内容をコミットしていない
2.スキル不足の要員構成
プロジェクトマネジャーが主要メンバーのITスキルレベルを精査した上で採用判定していない
スキルチェックを定期的にチェックするレビュープロセスが存在しない
3.リーダーシップの欠如
プロジェクトマネジャー(或いはリーダー)がスキルは高いが人格は著しく欠如している
リーダーシップが複数に分散しすぎているため、全体を誰も統率できない
4.契約体系の不備
クライアントが十分契約書を精査しないままプロジェクトが始まった
全体プロジェクト管理責任を負うベンダーが契約上どこにも存在しない
5.経営センスの欠乏
経営からの強い要望で、根拠もなくスケジュールを短縮したり予算を縮小した
5年前は、4とか5の原因が強い案件からたくさん相談がきていましたが、
昨年あたりから、
上方の原因、すなわち1から3のようなプロジェクト編成上の基本的なお作法ともいえるポイントを抑えていない状態がゆえトラブルを起こしてしまったプロジェクトからの依頼が多いのです。
???
PMOは一般的に、プロジェクト総要員数の最低5%から10%におさまるような配置を目指すべきと、普段お客様に説いています。
トラブルを起こすと総勢15%くらいの追加補強が必要なケースが多く、その差5%以上の追加投資を現時点でできるだけリスク緩和しておくために、PMO支援を行い、現在のPMO体制から最低限の補強のみでなんとか事態を乗り切ることをサポートしています。
小生の管理能力では、正直同時に5件までしかプロジェクトサポートをお引受けできません。
それ以上は体力も集中力も持たないし、
一番のプライドである高品質が維持出来ない。
スケジュール管理も破綻するので、他のアカウントマネジャーが空いていれば助けてもらいますが、どこも手一杯だと、残念ですが依頼をお断りするしかありません。
これも最近までに個人的に統計してみたのですが、
最適工期 = 2.15 × 3√総工数(人月) (Barry Boehm)
という公式と各プロジェクトの実際を比べてみると、プロジェクトの成否のボーダーラインは、上述の計算式から弾き出される最適工期の70%あたりです。
つまり、1000人月プロジェクトは21.5ヶ月かけて設計・開発・導入しなさいというちょっと昔の理論に対し、その70%=約15ヶ月以上で進めているのであれば、まあ何とかなるかも。
という感じです。
人を増やせば工期が短くできるとかいっても限界があります。
どんなにカリスマ的PMやPMOが機能したとしても、
巨大なプロジェクトを超短期でやれと言われると・・・
いやいややっぱり限界があるんですよ。
私の進言が絶対当たるのか!?と言われると、
そこまで問い詰められるとちょっと答に困っちゃいますが、プロジェクトを推進されておられる皆様、期間に不安がありましら是非お試しください。
それにしてもITマーケットの人材不足をさらに痛感する今日この頃です。