オルタナティブ・ブログ > ビジネスライターという仕事 >

ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

生活保護に関する素朴な疑問

»

生活保護に関して、議論が盛り上がっている。僕は、これについて語る能力がないので素朴な疑問を挙げることにする。議論が深まるきっかけになればと思う。

 

朴な疑問1:なぜ今盛り上がってるの?

たしかに生活保護受給者なのに贅沢な暮らしをしている人や働けるのに受給している人はいて、僕も問題だと思う。ただ、このようなことを僕が知ったのは、20年前ぐらいの話であり、何で今になって盛り上がっているのかよく分からない。

某政党の一部の政治家の人気取り(だったら逆に失敗との噂もあり)に端を発したのだろうか? そのような気もしているのだが、よく分からない。

しかし、一度問題になると、出てくる出てくる。それこそ無知で申し訳ないが、外国人も受給できるとは思ってもいませんでした。

昔からある問題なので、僕は織り込み済みぐらいに思っていた。不正は問題だが、ある程度目をつぶるほうがコストが低いぐらいに思っていたのです。

こんな大問題、本当になぜ何十年も放置してきたの? そっちも暴いてほしいなあ。

 

素朴な疑問2:政治家の仕事なの?

不正をただすということはもちろん大切なことだが、僕にはこれは政治家の仕事とは思えない。行政や司法の仕事ではなかろうか。

政治家の仕事は、なぜこんな不正をしている人がたくさんいるのかを究明し、そうでない社会を設計することだと思うのだけど、そのようにいう人があまりいないのも疑問だ。

もちろん僕が知らないだけかもしれない。ただ、一番影響力のあるメディアであるテレビでは聞いたことのない意見だ。

 

素朴な疑問3:不正受給額の調べがあるのが分からない

今朝テレビの情報番組を見ていたら、不正受給者数と不正受給額が明言されていた。

正確な額はうろ覚えだが、たしか129億円だったと思う。多いといえば多い数字だ。

だが、ちょっと待てと思った。不正受給者数も不正受給額も分かっているのなら停止すればいいだけではないのか?

元々不正受給がはびこっているのは、市区町村の職員が実態を把握できないからではなかったのか?

ここまで書いていて、いろいろと記事を見ていたら、元データと思われる数字を見つけた。

今年2月、大阪市住吉区から6年半にわたり3200万円の保護費を詐取していた40代の男が逮捕された。厚生労働省の調べによると、同様の不正は、全国で2万5355件(10年度)。詐取された金額は約129億円に上った。

▼月収30万でも保護費14万......生活保護"不正受給"の裏側 (3/3)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1204/26/news020_3.html

実態が分からないのに不正受給数と不正受給額は分かる? 厚労省はどうやって調べたのだろうか?

それとも、これは発覚した件数だということだろうか?

だとすると、情報番組とはいえ伝え方が曖昧だった。少なくとも僕は、これで全てと思ったが、氷山の一角ということである。そのようには聞こえなかった。

朝の情報番組は、出社前にながら見をしている人も多いのだから、数字が一人歩きするような伝え方はしないようにしてほしい。

 

素朴な疑問4:働ける人の定義が分からない

ナマポというのが流行っているらしい

たとえば鬱病との診断が出れば、簡単に生活保護が受給できるとのこと。鬱病の社員がいる企業は、少なくとも半分を超えているのだから、鬱病が理由で生活保護が受給できることに対しては意見が分かれるのではなかろうか?(もちろん、逆に鬱病だから全部ダメなどというつもりはない。僕はどちらかというと多少の不正受給があったとしても、行き渡るべき人に行き渡るべきだとする派だ。ただ、もちろん限度はある。)

一方で、50歳前後でリストラされた人は、まだ働ける(これは64歳までそうなのだ)ということで、生活保護を申請しても却下される。

なので、こういう人でも裁判までしないと受給できない。

▼所持金852円でも、生活保護を受給できなかった理由
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1205/01/news010.html

今、悲惨なのは、新型ホームレスだ。これはリーマンショック以降急激に増えたとのこと。

50歳前後でリストラされた場合、肉体的にはまだまだ働ける。だから「働ける人」に含まれるのだが、実際問題として働き口はない。

独身なら、その日暮らしのバイト生活をする手もあるが、たいがい家族がいる。

家族を養うにはどうしたらいいのか?

ほとんどの場合、離婚するしかないのだそうだ。

離婚すれば、残った家族は生活保護を受給できる。本人はバイト暮らし。もちろん離婚したので家にいるわけにはいかない(不正受給者のように住んでいないふりをすればいいのにと、不謹慎だが思ってしまう)。

しかし、バイト暮らしなので、家も借りられない。家賃の問題もあるが、大家が貸してくれないのである。

するとどうなるか? 彼らはレンタルボックスを借りて、そこに住んでいるのだそうだ。

何かが間違っていると感じるのは僕だけだろうか?

それこそ、家族全員でバイトすればいいじゃないかという意見もあるだろう。それに対して反論はない。

ただ、実態としては新型ホームレスを選択する人も多いようだ。数十万人と聞いたおぼえがある。

家族に不要な苦労をかけたくないというのがリストラされた人の最後の意地なのかもしれない。

それともリストラされた夫につきあう義理はないと妻も子供も思うのかもしれない。だとしたら切ない話だ。

 

素朴な疑問5:なぜ他人事な議論がまかり通るのかよく分からない

厚労大臣は、今後受給前の調査を厳しくする方針だという。

市区町村にとってはご苦労なことだ。調査員も雇わないといけないだろう。当然住民税も上がるだろう。

まあ、これに関しては一時的なことで、不正受給がなくなれば、また住民税も下がるという考えもあるだろう。一度上がった税金はなかなか下がらないと思いますがね。

住民税の問題はさておき、調査が厳しくなればどうなるか?

国民には三親等まで扶養する義務があるらしい。三親等はかなり広いです(こちらの図を参照のこと)。 

調査が厳しくなると、こんなことが起こるかもしれない。

ある日、調査員がやってくる。

「この人が生活保護を受給したいと言っているのだが、お宅は家族3人で年収が500万円あります。月3万円でいいので負担してもらえませんか?」

名前に憶えはない。もちろん写真を見ても誰だかわからない。妻が突然思い出す。「そういえば、道楽が過ぎて勘当されたお兄さんがいると父が言ってたわ」

子供はこれから高校・大学に進学するのだ。月3万円はとても無理と断る。そのことが、なぜか後日近所で広まっていた。不正受給を助長しているけしからんやつと陰口を叩かれていたのだった。

お笑い芸人の話は、親なので問題になっているが、今の基準を厳しく適用することになると、こんな悪夢のようなことが起こる可能性もないとはいえない。

他人事ではいられないと思うのですが、どうでしょう?

 

自社の考えをインタビューして文書化してほしい方は↓

top.jpg

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する