オルタナティブ・ブログ > ビジネスライターという仕事 >

ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

6月9日 私のためでなく、公のために人を使う~ほんの30年ほど前は公私混同は当たり前だった(#382)

»

松下幸之助さんは、自分のために人を使うのではなく、公のために人を使うと考えれば、一つの信念が生まれてくると説いていますが、私には一瞬何が言いたいかよく分かりませんでした。

一瞬そう思ったのち、考え直すと、ああ、世の中が変わったんだなということに気がつきました。

実際に公私混同が行われているとしても、公私混同自体は悪いことだという概念は、いまや浸透しています。

しかし、たしかにちょっと前までは公私混同が普通に行われていました。

ある学者の書いた本にこのような例が載っていました。日本人には公私混同の意味がわかっていないということの例です。

小さな会社の社長が、従業員が帰省するというので、帰省先の取引先に荷物を届けてくれるように頼んだ。このようなことが日本では普通に行われていると。

私がこれを読んだのは、大学生のころか新入社員のころかどちらかだったと思います。今から30年ぐらい前です。

いまの時代、この例を見て、社長が公私混同していると思う人がほとんどでしょう(あなたがそう思わないなら、ちょっとやばいかもしれません。あなたの周囲もそうだとしても、あなたの地域や年齢層にしか通用しない考え方かもしれません)。しかし、当時、社員の公私混同という概念はあっても、社長の公私混同という概念は事実上なかったのです。

まあ当時は、セクハラも、パワハラも、普通のことでした。そういえば、男女雇用均等法ができたのは、25年前ぐらいでした。

ほんの四半世紀前には、「女性の総合職は使いものになるのか?」というのが本気で議論されていたんです。少なくとも、サラリーマン向け週刊誌の見出しはどこもこんな感じでしたから、当事者のサラリーマンの間では深刻な議論だったと想像されます。

30年ぐらいで日本も大きく変わったものです。

なお、松下さんのイイタイコトの主眼は、人の使い方よりも、仕事には私事はないということのようです。これも、まさに公私混同をするなという話ですね。最初に、社長が自分が楽をするために人を雇ってはいけないと書いていますから、松下さんは、昔から社長の公私混同も戒めていたようです。そう思うと、やはりすごい方なのですね。

今日の一言)30年後の日本や世界なんて誰にも予測できないが、多くの人が善だと思う方向に進むだろう。

本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

--

icon_ya_red.gif 無料メール講座で、我々333営業塾のことを知ってください。

icon_ya_red.gif 無料動画セミナー「新規開拓営業組織の作り方」はこちらです。

icon_ya_red.gif 筆者のゆるゆるのイヌ・ネコ・メシブログはこちらです。

 

Comment(0)