大切なことはみんな、時代小説から学んだ(#155)
ビジネスのエッセンスが知りたければ、『剣客商売』を読め。
●解説
ずいぶんと昔、まだ90年代前半だったと思います。出張の帰りに本屋で『仕掛人梅安』シリーズを買ったところを、同行の先輩に見られて、「ずいぶんしぶいもん読むんやな。ところで、池波正太郎なら『剣客商売』が一番やと、俺の友達が言うてたで」と教えてもらいました。
で、すっと気になっていた『剣客商売』なのですが、なかなか1巻から置いてある店がなく、アマゾンで買うほど欲しくもなかったので、忘れていました。
それが、いつのまにか新装版というのが出ていたんですね。たまたま寄った本屋にも、近所の小さな本屋にも1巻からずっとおいてあるので、順に買って次々と読んでいます。
時代小説というのは、そもそもサラリーマンを対象読者としているからか、ビジネスや人生のヒントになることが多く書かれている、というのは昔から思っていたのですが、この『剣客商売』はとくにすごい。
福島正伸先生に学んだことやら、『7つの習慣』に書いてあることやら、稲盛和夫さんの本に書いてそうなことやら、とにかく端々に散りばめられています。人間心理の絢も、きちっと描写されています。
「さて......」
ふといためいきを吐いて
「わしが、あのおやじにしてやれることはなんだろう?」
われからわれにいいきかせるがごとく、つぶやいたものだ。
「よけいなことかも知れぬなあ」『剣客商売 2 鬼熊酒屋』より
え?これの何がビジネスに役立つかって?
......、分かりませんか?
人へのお役立ちをまず第一に考えながらも、それは余計なことをしているのかもしれないという客観性や自省力が大事ということです。
「あの又六から、五両の礼金をうけとるのは、いささか心苦しくおもいますが......」
「ばかな」
小兵衛が舌うちをして、ふといためいきを吐いて
「あいつはこれから五両はおろか、十両も五十両も稼げる男になったのだ。あれだけの力をつけてやって、五両なら安い」
「はあ......」
「すこしは、商売気を出せ。お前だとて、又六の肌身を切ったときは、真剣勝負そのものの心構えであったはずじゃ」『剣客商売 2 悪い虫』より
きちっと価値を提供しているのに、それが分からず、正しい値付けができない人への戒めです。
ね?役に立ちそうでしょう?
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