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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

人生は消しゴムのない日記だと本田宗一郎さんがおっしゃっていました(#141)

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あまりにも慎重にことを運ぶ人は、逆に信頼されない。

●解説

ある方から、あるメーリングリストにメールを送りたいのだが、その前に意見がほしいという相談がありました。

政治家のサークルのような一言一句気をつけないとどんな波紋を呼ぶか分からないというような集まりではありません。ごく気さくな仲間内のメーリングリストです。

私は、その方をよく知っているので、そのような誤解はないのですが、知らない人の中には、彼を何かたくらんでいるタイプだと思う人もいるんじゃないかとちょっと心配になりました。

慎重なのが悪いということはありません。

ただ、あまりに慎重すぎるのは、逆に信頼感を損ねるケースもあるのです。

どういうことか?

隙がない人間はあまり好まれません。

本田宗一郎さんの発言は隙だらけでしたし、松下幸之助さんだってあまり固い感じはしません。だから、いつまでもこの二人は人気なのでしょう。

隙はあるのだけど、その隙間から大きな器に取り込まれていく。そういう心地よさがある人たちなんですね。

慎重過ぎて隙のない人。そのような人の器の中には入っていけません。

●裏解説

私は相談者の慎重さに違和感を感じていたのですが、それをぴったりとした言葉にすることができないでいました。

そのとき、たまたまページを開いた本田宗一郎さんの『俺の考え』という本に、ぴったりの言葉がありました。

日記にもしほんとうのことを書いたって、インキ消しとゴム消しがあるんだから重宝なものだ。だから、言葉とか文字では人を動かせないと思うのだ。
 そうじゃなくて、語らずのうちに人が見ているそのものズバリ、それが信頼だ。われわれはゴム消しもインキ消しもない生活の日記を毎日つけている。そのものズバリ日記である。この集積が信頼となるか不信頼となるかによって、ものが通じるか通じないかのわかれ目になると思う。こういうことが経営者にとって一番大事なことじゃないか。

そうなんです。

私は、相談者の慎重さを見て、「ゴム消しやインク消し」を多用するタイプの人と感じてしまったのです。

この態度は、たとえば法律や行政に携わる人の業務においては必要なことでしょう。

こちらは、人間同士の信頼をそもそも前提としていないからです。性悪説に基づき、とにかく誤解の生じない表現を心がけていくことを求められています。

しかし、プライベートでクローズドなメーリングリストでは、ちょっと行き過ぎではないかと思うのです。

こちらは、人間の信頼に基づいて運営されていくものですから。

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9月25日18:15から東陽町(東京都江東区)にて開催します。

※美経倶楽部のメーリングリストへの参加は、会費を振り込んだ翌月1日からだったのを、振込を確認したらすぐに変更しました。

http://www.itbt.biz/333eigyo/BKclub.html

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