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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

新興の会社が成長・成熟している会社の真似をしてはいけない(#130)

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人を頭数で考えてはいけない。

●解説

人を頭数で考える職業の最たるものといえば、政治家。

一部心ある政治家がいるとしても、多くの政治家は、人間を票数としか思っていないように見えます。

これはマスコミも一緒なのかもしれません。人間としては大したことはなさそうなのに、最大票数を獲得した政治家をもてはやしています。

そういうことをするから、政治家はますます票集めにせいを出す。

結果として人を人として見ることができず――つまり庶民の生活実感が分からず――庶民のための政治が何かが分からない政治屋が国会議事堂にあふれかえることになります。

なんて愚痴を言いたくなる今日この頃ですが、事業に関してもまったく一緒のことが言えます。

まだ事業を始めたばかりなのに、成功している企業の現在のしくみを取り入れたがる人が多いようです。

特に、大企業を脱サラして会社を始めた人には、この傾向が強い。

自分がいた会社のしくみを使いたくなるんでしょうね。

有効訪問件数だとか、アポ獲得率とか、いきなりそういう指標で営業を管理しようとする。

このような数字が役に立つのは、すでに勝ちパターンが見えている商品だけです。

トークやツールが確立していて、誰が行こうが何軒回れば何件獲得だきるかが明確になっている商品にのみ通用する管理法です。

賢明な会社は、その指標で営業マンを管理するのではなく、商品力が落ちてきた兆しであるとか、広告宣伝の問題点を見つけるために指標を使っています。

大企業でもマーケティングの分かっている会社は、新商品を開発したばかりのときに、こんな管理のしかたはしません。

まずは、モニターから意見をもらい、小さなエリアでテストマーケティングをし、勝ちパターンを見つけてから、管理を始めます。

新興企業が真似をしないといけないのは、こちらの新商品販売のやり方のほうです。勝ちパターンのできている商品の売り方を真似してはいけない。

難しい言葉でいえば、商品のライフサイクルのどこにあるかに売り方が違うのです。

成長期や成熟期の商品は数的な管理でも売れますが、導入期の商品はそうはいきません。

※さらに衰退期における撤退はもっと難しく、これは営業マンの仕事ではありません。

会社もまったく一緒。初期の会社は、導入期の商品と一緒です。この場合には、何人とあったかよりも誰とあって何を話したかのほうがはるかに重要なのです。

この時期は、また、テストマーケティングの時期です。テストマーケティングをしながら、成長期における管理指標作りしていけばよい。

この時期に指標で管理するのは本末転倒です。

●裏解説

ちなみに管理指標というのは、社外秘であることが多い。これは管理指標を見れば、その企業が何をしているかが丸見えになるからです。

しかし、私に言わせればナンセンスな社外秘です。

管理指標というのは、業務の流れに沿うべきもので、業務の流れにこそ会社の特徴があります。

よその会社の管理指標を持ってきても、使えないことがほとんどなんです。

特に優秀な会社の管理指標を不優秀な会社が使いこなせることはありえません。文化が違うからです。

自社でコツコツ作っていくのが一番です。

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BKC.jpg← 一日40通もメールが来ているのに、その中にイベントの案内やそれに対する社交辞令もない。こんなメーリングリストは初めて見ました。 


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