室井慎次はなぜ出世できるのか?(#104)
理想を貫く人は、排除できない。
●解説
昨日は、「踊る大捜査線ムービー」を見てきました。所詮テレビドラマだとバカにする人もいるようですが、私はこのシリーズはけっこう好きでして、「交渉人 真下正義」も「容疑者 室井慎次」も映画館で見ております。
考えたらこの10年で、映画館に足を運んだのは、5回程度だと思うので、ちょっと異常な入れ込みようですね。
なんか人がいっぱい出てくるのが好きなんですね。意味もなくごちゃごちゃ人が出てくる場面が多用されるじゃないですか。寂しいんでしょうか、私?
閑話休題。
「容疑者 室井慎次」で広島に「飛ばされた」室井慎次でしたが、今回は、「警察庁長官官房審議官警視監」という出世を遂げて復活していました。
私は警察機構にうといので、こんな役職がそもそもあるのか、あったとしてどれほど偉いのかよく分かりません。
ただ、どうも警察の最高意思決定会議と思われる、例の円卓会議(これは私が思うにフィクション)に出席していたので、かなり偉くなったと思われます。まあ、そこでは一番下っ端のようですが。
で、不思議なのは、この室井慎次という男、これだけ警察上層部から煙たがられているのに、なぜ出世できるのかということです。
その答えは、「容疑者 室井慎次」にありました。
品川徹演ずる検事総長に辞表を書けと説得されるシーンがあります。そのときの検事総長の一言が室井がどういうキャラクターかを示しています。
※申し訳ありません。上の一文誤りがあるようです。コメントで訂正をいただきました。
セリフを正確に覚えていないのですが、上層部は理想を貫く君が怖いんだよ、というようなことを言っていたと思います。
そうなんです。頑固に理想を貫く人は、上から見ると怖い存在なのです。
室井を見ていると分かりますが、私心がない。私心はないのだけど、理想追求のためには手段を選ばない(ただし卑しいやり方はしない)したたかさもあります。
そして、青島をはじめとする強烈なシンパが現場にたくさんいる。
別に自分の後釜を狙っているからではなく、そこに人望が集まるのが怖いんですね。
ということは、上位者やライバルから恐れられるようになるには、頑固に理想を貫けばいいわけです。
ところで、なぜ出世するのかは簡単です。とりこんだほうが安心と考える上位者がいるからです。
●裏解説
それでは青島警部補は、今回係長になったとはいえ、なぜ出世できないのでしょうか?
ノンキャリアだということが一番大きい。そのうえ中途採用です。もちろんそうなのですが、もう一つポイントがあります。
それは、青島が信念の人だということ。
信念の人は、自分の価値観を大切にします。価値観(それには仲間も含まれます)を貫くことが目的なので、出世ということに気が回りません。
理想を追求する人は権力も必要だと思っていますが、信念の人は権力など関係ありません。
しかし、理想の人も信念の人も、あこがれの対象であることにはかわりありません。
「踊る大捜査線」シリーズの面白さは、理想の人と信念の人の間で、大勢の人が右往左往することにあるのでしょう。
いまテレビに横山研さんが出ていますが、彼は8年前まで、外資系企業(!)のサラリーマンだったんですね!
ところで、どんな「外資系」?
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