選ばれる人/会社は、アンケートで何を聞いているのか?
昨日の「ケンドーコバヤシに『自分軸の本質』を教わる」という記事はなかなか好評だったようで、こんなコメントもいただきました。
http://blogs.bizmakoto.jp/k-sawada/entry/349.html
「替えのきかんモンになる」というのは、見方を変えれば、選ばれる人間(会社)になるということです。
そのためには、アンケートが不可欠です。
●アンケートを簡単に考えるな
アンケートというものは、マーケティングに直結するものでないと意味がありません。
マーケティングに直結するという言葉の意味は、次回以降の集客(問合せなども含む)に役立つということです。
集客の役に立つということは、その会社や人のイベントに喜んで参加したいということですから、本当の顧客満足を求めるということでもあります。
そうでないのなら、準備する人の時間も、書いてくれる人の時間も、分析する人の時間もすべて無駄ですから、やめるべきだと思います。
実際、こんなことを聞いてどうするのだろうというアンケートが多く、うんざりすることがあります。
たとえば、改善してほしいことを書かせたり、満足度を点数で選ばせたりするものが多いのですが、ほとんど意味がありません。
改善してほしいことがあれば、電話やメールでクレームがきます。それ以前に聞くこと自体に自信のなさが感じられます。
満足度を点数で出して、どうするのでしょうか?担当者の査定にでも使うのでしょうか?それなら、査定員がプロの目で見て判断すべきです。
アンケートを軽く考えてはいけません。
●選択理由があれば、これさえ書ける
それでは、いったい何を聞けばよいのでしょうか?
ぼくが尊敬するプロのマーケッターたちが必ず聞く項目があります。
それは、「この商品・サービスを選択した決め手は何でしたか?」というものです。
選ばれたければ、選ばれている理由を顧客に聞けということです。
これは、あたりまえのように見えて、実践している会社/人は少ない。
そんなことは知っていると思っている営業マンやマネージャがほとんどだからです。しかし、実際に聞くと知らないケースがほとんどです。
IT企業の導入事例に関して深く広い見識を持つ友人のマーケッターM氏は、以前ぼくにこう語ってくれました。
「費用対効果を謳うIT導入事例が多いけど、ナンセンスだと思う。それはどちらかというとユーザー企業の手柄だからね。また実際に運用に入ってから費用対効果が高いシステムは珍しいから、宣伝機会を失うことにもなりかねない」
「じゃあ、どうしたらいいの?」とぼく。
「運用開始前に事例取材にいって、選択理由を聞くんだよ。ITの場合は選択理由が(事例読者である)システム開発部の最大の関心事なので、それだけでも導入『成功』事例なんだよ」
まさに目からウロコでした。そして、IT企業だけでなく、注文生産がメインの会社すべてに当てはまることだと思いました。
●実際に聞いてみないと分からない
去る5月26日に開催した弊社主催の「自分軸発見」セミナーでのアンケート結果を例にお話します。
弊社のアンケートには、「このセミナーに参加した決め手はなんでしたか?」という質問項目があります。
これへの回答が、きれいに以下の4つのパターンに分かれました。
- 自分自身で自分軸の分析をやってみたが満足のいく結果にならなかった(27%)
- セールスレターのキャッチコピーが良かった(27%)
- セミナーのリピーターあるいはメルマガの内容がよい(27%)
- 具体的な課題があって、その解決の糸口になればと思った(20%)
ぼくとしては、基本的に4番目の理由で参加されている方がほとんどだと思っていました(もちろん他の理由で参加されている方にも課題はあります)。
なので、決め手は大きく4つに分かれると知ったのがまず大きな収穫でした。
まず思ったのは、意外とキャッチコピーが効いているということ。キャッチコピーをもっと磨くとさらに良いのかもしれません。
また、自分自身ですでに自分軸を探られている方が多いということも知りました。すでに自分自身で自分軸を探っておられる方々にもっと訴求するセールスレターを考えてもいいかもしれません。
リピーターやメルマガのファンがいることは、いままでやってきたことが間違っていなかったという安心にまずつながりました。アフターフォローと情報提供の質をもっと高めていく努力は今後も有効でしょう。
4番目の理由で参加された方々は、それぞれ具体的な課題を書いてくださっています。これも重要な情報です。
ということで、たかだか「このセミナーに参加した決め手はなんでしたか?」という単純な質問ですが、これだけ豊かな情報をもたらしてくれます。
そして、この情報なくして、選ばれる人(=「替えのきかんモン」)になるのは困難ではないかと思うのです。
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