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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

7割以上の人に抵抗がある「撤退」をやり遂げるには

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我々333営業塾吉見範一氏筆者・森川)のクライアントのK社長は、今たいへんです。

この3月末に「あと2週間売上がなければ、うちは潰れます」と告げられたときは、吉見さんもぼくも正直どうしようかと思ったものでした。

あれから40日ちょっと。昨日は声が明るくなっていました。それは、今までのメイン商品から撤退して、新しいことをやろうと決めたからだったのです。

●撤退が一番難しい

以前、こちらのブログでも書きました。できることを全部やっていてはいけない、と。

先月で終了しましたが、333営業塾では、「YM式クロスSWOT分析」を使って3時間で最初の打ち手を見つけ出すというワークショップを開催していました。

SWOT分析とはご存知のように、強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)の組合せで、KSF(最重要成功要因)を発見する方法論(あるいはツール)です。

このときに、弱みと脅威のクロスする部分については、撤退または縮小するのが原則です。

我々がワークショップで40社以上の経営者や事業主と話をして分かったのは、7割以上の方が、撤退や縮小する事項を書くのをためらうということです。

驚くべきことです。みなさん、忙しい忙しいと口を揃えながら、じゃあこれやめましょうか?と提案すると抵抗するのです。

撤退がどれだけ難しいかということです。

登山家が命を失うのも撤退の決断ができなかったときです(あとは登頂後の気の抜けたときだそうです)。

●自分軸がないと撤退できない

撤退が難しい理由ははっきりしています。

それは、自分軸がないから

自分軸がないと、できることは何でもやってしまいたくなります

偉そうに言うぼくも、昨日ようやく撤退できたことがあります。

あるセミナーを企画し、告知もしたのですが、なんだかしっくりこない。ある意味義理で始めたことでした。

やはり伝わるのでしょうか。自分としては最高の告知文を書いたつもりだったのですが、2週間で参加申し込みはゼロ件・・・。

何が伝わってしまったかというと、潜在意識レベルで本気でないこと

意識レベルではたいへんなやる気で、企画し、人を巻き込み、告知文も書きました。

2週間申し込みがなくてやめたくなりました。このときにはじめて、自分が本気でないのでは?と疑いました。

しかし、そうだとしても義理もありますし、巻き込んだ人に迷惑を掛けることにもなります。なので、もやもやしたまま続ける人がほとんどでしょう。

ぼくが撤退できたのは、自分軸と照らし合わせて考えたから

この企画は、自分軸(「誰に」「何を」「なぜ」)と合致していなかった。

特に「なぜ」と「何を」がぜんぜん違っていた。

このことに気づいて、やめる決断ができました。本気でないことがはっきりと分かったからです。

● 「なぜ」がぶれていたらやめる

ぼくの例でもそうですが、「誰に」が合っている企画だとやりたくなってしまうものです。

企画の段階で、「何を」はもちろんのこと「なぜ」も考えるべきです。そして、自分自身の自分軸と照らし合わせる。

合致すればやりましょう。しかし、特に「なぜ」がぶれているならやめておきましょう。

「何を」は合わせることができるかもしれませんが、急場しのぎで「なぜ」を変えるのはやめておいたほうが良いでしょう。

「なぜ」を変えることがあるとすれば、事業を一から見直すときなどです。ある企画の中で、「なぜ」を見直すなどということはあり得ません。

●あきらめるときの代替策

K社長のケースでは、実は自分軸と合わなくて撤退したわけではありません。

自分軸があるから撤退し、新しい方向に進むことができたというケースです。

彼は、長年非常に利益率の良い商品を中心に販売してきました。その分、なかなか売るのが難しい。多くの営業マンが売れずに辞めていきました。

この状況を何とか打開するために、K社長はもう一度自分軸を見直しました。

そして、自分軸に合いつつ、もっと売りやすい商品を見つけることができました。

今、本気で新商品に取り組んでいます。

以前より売りやすくなったので、営業マンのモチベーションも大幅にアップしていると、明るい声で報告してくださいました。

●まとめ

売れないときは、自分軸とずれていないかを疑いましょう。潜在意識レベルで本気でないので売れないということはよくあります。

こういう事態を避けるために、企画段階で自分軸とずれていないか、特に「なぜ」がぶれていないかをチェックしましょう。

また、長年芽が出ずにあきらめる場合には、自分軸を見直しましょう。そして、自分軸と合いながら、もっと売りやすいものがないかを探しましょう。

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