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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

つぶれる飲食店の共通点

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元横綱若乃花が始めて、最終的にはプロデュースだけに関わっていた「若」という店が破産しました。

実は、一度だけ渋谷の店に行ったことがあります。正直、長くないなという印象はありました。

ぼく自身、飲食店、特に飲み屋系にはよく行くほうなので、たくさんの店が潰れたのを経験しています。

中には個人的には潰れてほしくないなあと思っていた店も一軒や二軒ではありませんでした。

しかし、ぼく自身の趣味嗜好とは関係なく、潰れる店は潰れます。

潰れる店と生き残る店。いったい何が違うのでしょうか?

● 立地のいい店が次々と潰れる不思議

ぼくは東西線の行徳駅を最寄り駅としています。行徳は、けっこう飲み屋の多いところで、なかなかの名店(?)が何軒かあります。

行徳でいつも不思議だなあと思うのは、駅から近い目抜き通りの店が、やたらと潰れることです。

2年に一度ぐらいは店が入れ替わっている場所もあります。それが、駅から徒歩2分もかからない角地にあるような店なので、なぜ潰れるのかさっぱりわかりません。

ぜひ風水師を連れて行って、意見を聞きたい場所です(笑)。

そうかと思うと、駅からちょっと離れたひっそりした場所にありながら、もう10年以上続いている店がいくつもあります。

近隣住民の常連だけで支えられている店もありますが、どこで調べてくるのか、船橋あたりからお客が来たりしている店もあります。

いずれにしろ、飲み屋を続けるという目的であれば、立地はまったく関係がないようなのです。

● 残る店は客層がはっきりしている

残る店に共通するのは、客層がはっきりしていることです。

少なくとも誰をターゲットにしているかは入った瞬間はっきり分ります。

チェーン店でも、生き残っている店はそうですし、不振の店ははっきりしません。

街の一軒居酒屋で生き残れるかどうかは、馴染みの数がどれだけあるかで決まってくるようです。

オシャレである必要はまったくなく、逆にダサい店を求めてくるお客もたくさんいます。

とんねるずが自分の番組で、「きたなシュラン」という汚いけれど美味しい店を取り上げるコーナーをやっています。まさにあれに出てきそうな店が、行徳なんかでも生き残っています。

● 語る必要すらない

馴染みというのは、店主や店員の世界観に共鳴して集まってくる人たちです。その世界観は別に格好のいいものでなくてもいい

共感し、安心できればいいわけです。我々がイマイチと思ったとしても、お客が満足していればそれでいいのです。

わざと演出している店主もいれば、自然とそうなっている店もあります。どちらにしろ客層がはっきりしているのが、生き残っている店の必須条件です。

その世界観は語ってももちろん構わないのだけど、語らなくてもいい

東京でいつ行っても入れないことで有名な店は、浜松町の秋田屋と、門前仲町の魚三ですが、ここの店主が声高に世界観を語っているという話は寡聞にして知りません。

魚三にいたってはおばちゃんの態度が悪いということぐらいしか、ぼくは知りません(笑)。それでも客は来る。

秋田屋も魚三も、もう見ただけで客層というのがはっきり描ける店です。

もちろん想像する客層以外のお客もたくさん来ます。しかし、代表的なお客はこんな感じだろうという想像ができる店です。

お客は、その中心客層と自分との距離を測って、大丈夫だろうと思って入る。あるいは、ガイジンさんのように観光のために入ったりもする。

中心客層が明確だと、それ以外の人も入りやすいし、入りたいと思うのです。

店の面構えとメニューを見れば、もうすべてが分る。秋田屋も魚三もそんな店です。

潰れる店は、真逆です。

その店にどんなお客がいるかは、ドアを開けるまで分らない。それがまた毎回違っていたりもします。

● 「誰に」が基点

自分軸(「誰に」「何を」「なぜ」)を考える際に、何から考えるのがいいのかとよく聞かれます。

いっけん「なぜ」から考えるのがいいように思いますが、実際には、その事業をやる理由をはっきりと最初からもっている人は少ない。

どちらかというと潜在意識的なものです。なので、「誰に」「何を」という具体的なところが見えてから初めて、

「そういうことだったのか」とやっている理由に思い当たる人がほとんどです。

我々の関係した事例から考えると、「誰に」をまず考えるのがよいようです。

なぜなら「何を」は顧客価値なので、顧客のプロフィールが決まらないと決められないからです。

今回、生き残る飲み屋と潰れる飲み屋に関する簡単な考察をしただけでも、「誰に」が最初だよなあと改めて思いました。

特に飲み屋の場合などは、誰にが決まればメニューもおのずから決まると思います。

● 「若」は店に入っても客層が見えなかった

さて、破産が報道された「若」ですが、ぼくが行ったのは2年ほど前だったと記憶しています。

ほどよくオシャレな店で、食材へのこだわりも感じられました。料理は、(ちゃんこ屋なのに)量に不満は残りましたが、味はいいと思いました。値段は安くはありませんが、立地や料理などを考えるとそれなりにリーズナブルでした。

とはいえ、どういう人が使う店なのか、会計をし終わっても、ぼくにはよく分りませんでした。

立地も料理もいいのだから、もっと富裕層を狙ってもいいのではないかとぼくは思いました。そうでないなら、もっと安くすべき。価格帯が中途半端だと思ったのです。

年齢層もよく分りません。内装は若いカップル向けのようにぼくには思えました。中高年向けであれば内装のリッチさが足りない。しかし、価格はどちらかというと中高年向け。

なんにせよ中途半端でした。

● 飲食店を始めるなら

もし、あなたが将来独立して、飲み屋を始めたいのであれば、業態を先に決めるのはやめたほうがよいでしょう。

簡単そうだから、焼き鳥屋やラーメン屋をやろうとする人が多いようなのですが、そのような志では必ず潰れます。

まずは、ターゲットとなる顧客層を明確にイメージしてください。

年齢、職業、名前、性別、生い立ち、家族構成、今の悩み、将来の不安などを具体的に思い描きましょう。

そして、その人が何を欲しがっているのかを徹底的に考えてください。

そうすれば成功確率は何倍も違ってくると思います。

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