創作者と創作物は切り離して判断すべきなのか
子どものころよく見ていたアニメの一つに「ムーミン」があります。
岸田今日子さんがムーミンの声優を担当されていたのが印象に残っています。
ムーミンの原作者のトーベ・ヤンソンが来年生誕100周年だそうで、
2015年には日本国内にムーミンのテーマパークを
オープンする計画があるそうです。
これからムーミン関係が盛り上がって来そうですね。
ムーミンが世界で愛される秘密 2014年はトーベ・ヤンソン生誕100年-クリスマスに大人が読みたい絵本
ちょっと前に、「ムーミン」の登場人物のリトルミイの
名言のまとめが話題になっていて、
ネット有名人の方々がツイートしているのも見かけました。
【リトルミイ】胸にグサッと、突き刺さる【名言集】 - NAVER まとめ
ぼく自身も、読んでみて、なかなか鋭い名言だなと思っていたのですが、
実はこれはリトルミイの発言ではなく、創作されたものだったようです。
リトルミイはそんなこと言ってない(あるいは、赤猫リブ・リビィなる人物の挙動について)‐SEM酒場
上のリトルミイの名言集は、もともとTwitterで
「リトルミィbot」をやっていた人が創作したツイートをまとめたもので、
その創作者はその後「赤猫リブリビィ」に名前を変更して、
『赤猫リブ・リビィの「強くなれる賢者の言葉」』という
本まで出版しているそうです。
この記事を読んで、せっかく名言自体はいい内容なのに、
有名キャラクターを詐称するような人が創作したものだと知って、
名言の価値自体が落ちたように感じました。
でも、この名言集にある
「何とかなる。それは、やることをちゃんとやってる人のセリフ」
「時々、誰かに言われた言葉がチクッて刺さってイラッてするときあるじゃない。
それね、本当のこと言われてるからよ」
「忙しい忙しいって言う人いるじゃない。
きっと頑張っているわねって褒めてほしいのよ。
だからこう言ってあげたほうがいいわ。時間の使い方が下手ねって」
といった名言は、なかなか鋭いところをついていて、
いい内容であること自体は変わらないようにも思います。
ぼくが読んでいるブログ「つぶやきかさこ」で
かさこさんが、以下の記事を書いていました。
かさこさんは、本のレビューを書くときには、
著者の好き嫌いや、人格などは関係なく、
本の内容だけで判断して書くべきだと述べています。
確かにレビューを書くときにはそのほうがいいかもしれませんが、
本の内容を判断するときには、
やっぱり著者がどういう人物かということも
判断材料の一つになってくるような気がします。
ケースバイケースになるとは思いますが、
創作者と創作物を切り離して判断するかどうかは
けっこう難しい問題ですね。